◎フランシスコ教皇の発言はウクライナで怒りを引き起こした。
ウクライナ、首都キーウ郊外のブチャ、戦死した兵士の葬儀(Felipe Dana/AP通信)

ウクライナ外務省がバチカン市国の特使を召喚し、フランシスコ教皇(Pope Francis)による「白旗」発言に失望を表明した。

教皇は9日に公開されたスイスメディアのインタビューで、ロシアの侵略に直面するウクライナに「白旗を掲げる勇気」を持つよう促した。

ウクライナ外務省は特使に説明を求め、この発言に失望を証明した。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領も力による現状変更を受け入れるよう促したと取られかねない教皇の発言を一蹴。「侵略者を追い払うまで戦い続ける」と誓った。

ウクライナ軍によると、東部と南部の戦況が膠着状態に陥る中、ウ軍の立場は安定しつつあるという。

教皇の発言はウクライナで怒りを引き起こした。

教皇はインタビューの中で、「ウクライナは戦争終結に向け交渉する勇気を持つべきであり、和平交渉のテーブルに座ることを恥じるべきではない」と述べた。

また教皇は「最も強いのは、現状を見つめ、人々のことを考え、白旗を揚げる勇気を持ち、交渉する者だと思う」と指摘。「国際社会の力を借りて和平交渉を行うべきだ」と強調した。

これに対し、多くのウクライナ人が降伏を意味する白旗ではなく、黄色と青のウクライナ国旗を掲げるという決意を新たにした。

その後、バチカンの報道官は火消しに追われ、「降伏ではなく、交渉によって戦争を止めるよう促した」と説明した。

しかし、ウクライナだけでなく他の欧州諸国もこの発言に不快感を露わにしている。

ウクライナ外務省はバチカン特使を呼び出し、非難した。「教会のトップは侵略を合法化し、ロシアが国際法の規範をさらに無視することを奨励するよう訴えるのではなく、悪に対する善の勝利を確実にするために直ちに力を合わせる必要性についてのシグナルを世界社会に送ること、被害者ではなく侵略者に訴えることが重要である」

米国の支援継続に暗雲が漂う中、ウクライナはロシアに敗れるのではないかという見方を払拭すべく、奮闘している。

外務省はこう強調した。「この戦争に終止符を打つのはウクライナであることを確実にするため、私たちは最大限の集中力と最大限のイニシアチブを発揮しなければならない」

「我々は耐えることができる。我々は勝利しなければならない」

これに先立ち、ゼレンスキー氏はフランスメディアのインタビューで、「ウクライナは東部地域におけるロシアの進攻を阻止した」と主張した。

東部ハルキウ州政府は11日、ロシア軍によるドローン攻撃で高層ビル2棟、ホテル、市庁舎が被害を受けたと報告。南部オデーサ州はロ軍の砲撃で公共インフラが被害を受けたと明らかにした。

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