◎今週勃発したアルメニアとアゼル軍の戦闘は2020年の紛争以来最大規模となり、両軍合わせて200人以上が死亡したと報告されている。
米国のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長率いる上下両院の代表団が17日、アルメニアに到着した。
ペロシ氏らはアルメニアとアゼルバイジャンの戦闘や係争地ナゴルノカラバフの問題などについて協議する。
AP通信によると、ペロシ氏はパシニャン(Nikol Pashinyan)首相とも会談する予定。
ペロシ氏は16日の記者会見で今回の訪問について、「アルメニア国民の権利と尊厳を再確認する」と説明した。
ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
2020年に発生したこの地域をめぐる紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルバイジャンはナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われた。
今週勃発したアルメニアとアゼル軍の戦闘は2020年の紛争以来最大規模となり、両軍合わせて200人以上が死亡したと報告されている。
両軍はナゴルノカラバフとアルメニアの国境近くで衝突したとみられるが、詳細は明らかにされていない。
両国はロシアの仲介を受け、停戦に合意した。停戦は14日の現地時間午後8時に発効したという。
アルメニアはアゼル軍を侵略者と非難。アゼルはアルメニアが先制攻撃を仕掛けてきたと主張している。
アルメニア政府によると、3日間の戦闘で兵士少なくとも135人が死亡。アゼル国防省は16日の声明で兵士77人が死亡したと発表した。
ロシアはどちらかというとアルメニア寄りだが、石油資源の豊富なアゼルバイジャンとのつながりも大切にしており、難しい対応を迫られている。
ロシアは2020年の停戦以来、平和維持軍という名目でナゴルノカラバフに兵士約2000人を配備している。