◎ロシアの外交官が公の場で政府を非難し辞職したのは初めて。
ロシア国連代表部のボリス・ボンダレフ参事官(Boris Bondarev/ロイター通信)

ロシアの国連外交官は23日、ウクライナ侵攻に強く抗議し、プーチン(Vladimir Putin)大統領がもたらした戦争を「血生臭い無知戦争」と激しく非難し辞職した。

ビジネス特化型SNS「LinkedIn」によると、国連ロシア代表部のボンダレフ(Boris Bondarev)参事官はロシア政府から裏切り者とみなされる可能性があることを認識したうえで、プーチン氏を非難し辞職したという。

ボンダレフ氏は「侵攻はウクライナ人とロシア人に対する犯罪」とする書簡をSNSに投稿した。

ロシア政府はボンダレフ氏の辞職に関するコメントを出していない。

プーチン大統領はウクライナ侵攻を「戦争」と呼んだり、「特別軍事作戦」に対する否定的な情報の発信を禁じている。

ボンダレフ氏はSNSで公開した書簡の中で、「この血生臭い、知恵のない、絶対に必要ない恥辱をもはや受け入れることはできない」と述べている。「この戦争を思いついた人たちの望みはただひとつ、永遠に権力の座に居座り続けることです」

またボンダレフ氏は、「彼らは目標達成のための犠牲をいとわない。そのせいで、すでに何千ものロシア人とウクライナ人が死んだのです」と政府高官を非難した。「自分の国をこれほど恥じたことはありません」

ボンダレス氏はロシア外務省が外交より「嘘と憎悪」にしか関心がないと痛烈に非難した。

ボンダレフ氏はAFP通信などの取材にも応じている。

ボンダレフ氏は、プーチン大統領の決定を「過激な手段」と呼び、同僚たちは当初、侵攻を喜んでいたと明らかにした。「彼らは今、あまり喜んでいません。なぜなら、我々は経済的な問題に直面しているからです。しかし、同僚の多くがいまだに侵攻を支持しています」

ボンダレフ氏はAFP通信に、「同僚の西側に対する怒りは多少収まりましたが、それでも平和的ではない」と説明した。

ロシアの外交官が公の場で政府を非難し辞職したのは初めて。

ボンダレフ氏は、「政府は自分を裏切り者と見なすだろうが、違法なことは何もしていない」と強調した。「私はただ辞職し、自分の考えを述べただけです。しかし、自分の身の安全については、心配しなければならないと思います...」

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