◎国連総会の決議に拘束力はない。
国連総会は12日、ロシアによるウクライナ4州併合を無効とする決議案を圧倒的賛成多数で採択し、ロシアを厳しく非難した。
国連総会の決議に拘束力はない。
143カ国が決議案を支持し、中国とインドを含む35カ国が棄権。ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、ニカラグアが反対票を投じた。
ロシアに対する反対票の数は侵攻以来最大となった。
プーチン(Vladimir Putin)大統領は先月末、モスクワの式典でウクライナ東部ドネツク州とルハンシク州、南部ヘルソン州とザポリージャ州を強制併合する条約に署名した。
西側諸国はウクライナ4州で行われた編入の是非を問う住民投票を見せかけと非難し、ウクライナが必要とする限り支援を継続すると誓っている。
決議は国際社会に対し、ロシアのいかなる併合主張も認めないことを求め、その即時撤回を要求している。また交渉による戦争解決の努力を歓迎し、強い支持を表明するとしている。
ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は賛成に票を投じた国々に謝意を示し、「併合の試みに意味はなく、決して認められない」とツイートした。
バイデン(Joe Biden)米大統領は12日、「国連総会はロシアに明確なメッセージを送った」と声明を発表した。「この紛争の利害関係は誰の目にも明らかであり、世界はこれに対して明確なメッセージを送りました。ロシアは主権国家を地図から消すことはできません」
イギリスのウッドワード(Barbara Woodward)国連大使は、「ロシアは戦場でも国連でも失敗した」と述べ、各国は結束して国連憲章を守ったと強調した。
またウッドワード氏は「戦争を終結させることができるのはロシアだけだ」と述べ、プーチン氏に行動を呼びかけた。
侵攻以来、ロシアを常任理事国から外すよう求める声が高まっている。しかし、国連で唯一拘束力のある決議を出せる安保理でロシアは拒否権を行使できる。