◎ウクライナ軍参謀本部は4日、東部ドネツク州の要衝バフムートの戦況について、「前線付近で白兵戦が繰り広げられている」と報告していた。
2022年10月3日/ウクライナ、東部ドネツク州リマン、道端に放置されたロシア兵の遺体(vgeniy Maloletka/AP通信)

英国防省は5日、ウクライナに派遣されたロシアの予備役について、「前線でシャベルを使って戦っている可能性が高い」という分析結果を公表した。

同省は定期レポートの中で、「予備役は先月下旬、銃器とシャベルで武装してウクライナの陣地を攻撃するよう命じられた」と述べている。

同省はMPL-50と呼ばれるシャベルについて言及。これは1869年に設計されたもので、現在も軍内で使用されているようだ。

シャベルが役に立つかどうかは不明だが、専門家によると、「白兵戦に持ち込めば、それで叩いたり刺したりすることで敵兵を倒すことができる」という。

ウクライナ公共放送は拘束されたロシア予備役の証言を引用し、「私たちは肉体的にも心理的にも準備できていなかった」と報じている。

ウクライナ軍参謀本部は4日、東部ドネツク州の要衝バフムートの戦況について、「前線付近で白兵戦が繰り広げられている」と報告していた。

英国防省はレポートの中で、「ロシア司令部は恐らく、弾薬が不足しているとして、予備役に弾薬や砲弾の使用を控えるよう命じた可能性がある」と述べている。

米シンクタンク戦争研究所は5日、「ロシア兵は廃墟などに身を隠し、ウクライナ兵に接近戦を仕掛けている」と指摘した。

英国防省は白兵戦が繰り広げられている場所には言及していない。

ロシアの民間軍事会社ワグネルは今週、バフムートを実質的に包囲したと主張。ウクライナ軍は徹底抗戦を続けているようだ。

戦争研究所も「ロシア軍はバフムートで優位に立っている」と報告している。

ウクライナ軍参謀本部によると、バフムートにとどまる市民は約4000人。電気、ガス、水道は全く利用できないという。

ロシア軍は半年以上前からバフムートを攻撃し続けているが、完全制圧には至っていない。

戦争研究所はバフムートの戦況について、「ロシア軍は町を3方向から包囲し、防衛陣地を放棄させようとしている」と分析している。

「ロシア軍はバフムートの完全包囲を狙う一方、ウクライナ軍は全滅を避けるために、包囲される前に撤退する可能性が高い...」

しかし、ウクライナ軍は5日、バフムートを放棄するつもりはないと声明を出した。

軍参謀本部はロシア軍がバフムートを包囲しつつあることを認めたが、過去24時間で100以上の攻撃を撃退したと述べ、徹底抗戦を続けると示唆した。

戦前のバフムートの人口は約7万5000人。ロシア軍はこの町を占領するために何千もの兵士を失ったと推定されている。ウクライナ軍はこの戦いについて、「ロシア軍は自軍の7倍もの兵士を失った」と見積もっている。

2023年2月1日/ドイツ軍の演習場、レオパルト2(Martin Meissner/AP通信)
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