◎ウクライナとロシアは公式の死傷者数をほとんど更新していない。
ウクライナ大統領府は1日、ロシア軍の攻撃で死亡した自国の兵士が最大1万3000人に達したと明らかにした。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領の顧問であるポドリャク(Mykhailo Podolyak)氏は地元テレビ局のインタビューで、「侵攻開始以来、ウクライナ兵1万~1万3千人が死亡した」と語った。
ウクライナとロシアは公式の死傷者数をほとんど更新していない。
ゼレンスキー氏は6月に「1日あたり100~200人の兵士が死亡している」と報告した。
米軍制服組トップのミリー(Mark Milley)統合参謀本部議長は先月、開戦以来、ロシア兵10万人以上が死傷し、ウクライナ軍も同程度の死傷者が出ているという見方を示していた。
EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は1日、ビデオ演説で、これまでに10万人以上のウクライナ兵が犠牲になったと述べたが、その後発言を訂正し、「両軍合わせて10万人以上が死傷した」と釈明した。
ポドリャク氏は地元テレビ局のインタビューで、「政府は死傷者数を把握している」と述べ、「死者数は1万~1万3000人の範囲内」と説明した。
またポドリャク氏はこの死者数について、「参謀本部の公式評価」とした。
さらに、民間の犠牲者は相当な数にのぼると述べたが、数には言及しなかった。一部の地元メディアは5000~1万人の死亡が確認されたと報じているが、実際の数はこれよりはるかに多いとみられる。
ポドヤック氏はロシア軍の損耗について、「侵攻開始以来、最大10万人のロシア兵が死亡し、さらに10万~15万人が負傷、または行方不明、戦闘に復帰できない状態にある」という見方を示した。
ロシアの独立系メディアは兵士少なくとも9300~1万8600人の死亡が確認されたと報じているが、こちらもウクライナと同様、これよりはるかに多くの兵士が死亡したと考えられている。
ウクライナ軍は1日、ロシアは核弾頭が搭載可能な巡航ミサイルをダミーの弾頭を搭載した状態で発射し、ウクライナ西部でその破片を発見したと報告した。
ロシア軍はウクライナの防空装備の在庫を枯渇させるためにダミーミサイルを打ち込んでいるとみられる。
ウクライナ軍によると、ロシアは標準的なミサイルを使い切ってしまい、やむなく核弾頭を搭載できる巡行ミサイルを使用している可能性があるという。