◎ルーマニアとモルドバはウクライナと国境を接している。
ウクライナ、ルーマニア、モルドバの外相は13日、ロシアの侵略に対抗するため、黒海地域の安全保障を強化する協定に署名した。
ルーマニアとモルドバはウクライナと国境を接している。
ルーマニアの首都ブカレストで開催された会議には3カ国の外相、国防相、政府関係者、西側の高官が出席した。
ルーマニアのアウレスク(Bogdan Aurescu)外相は共同記者会見でロシアを「最大の脅威」と呼び、モルドバ外相は黒海地域の関係強化を「必要不可欠」と評した。
アウレスク氏は「黒海地域は侵略軍の標的になっている」と述べ、NATOはこの地域の安全保障を確立する必要があると訴えた。
ウクライナとモルドバはNATOに加盟を申請している。
アウレスク氏は3カ国間の政治・経済・安全保障の協力を促進することを目的とした協定について、「3カ国が同じビジョンを持っていることを示すものである」と強調した。
ウクライナのクレバ(Dmytro Kuleba)外相はオンラインで演説。ロシア軍の侵略を「欧州の戦争」と評し、「暴走する狂人に対処するために、この地域の安全保障ネットワークを速やかに確立しなければならない」と語った。
またクレバ氏はフィンランドがNATOに加盟したことに触れ、「黒海の防衛をバルト海のように強化する時が来た」と述べ、ウクライナとモルドバのNATO加盟に向けた取り組みを加速するよう求めた。
モルドバのポペスク(Nicu Popescu)外相もロシアを念頭に置き、「我が国を不安定化しようとするハイブリッド攻撃が続いている」と述べた。
またポペスク氏は「モルドバ市民はNATOに加盟していないウクライナと同様、ロシアの脅威を肌で感じている」と語った。
モルドバ政府は昨年6月、ウクライナと同じ日にEU加盟候補国に認定された。
4月12~13日にかけて開催された黒海安全保障会議では安全保障問題に加え、貿易、エネルギー輸送ルートの円滑化、ロシアのサイバー攻撃などについても議論した。
3カ国は共同声明の中で、「ロシアはこの地域、EU、西側連合にハイブリッド攻撃を仕掛けている」と非難した。