◎ウクライナ政府は南部ミコライフ州、東部クラマトルスク、東部ドネツク州の広い範囲が砲撃を受けたと報告している。
2022年7月21日/ウクライナ、東部ハルキウ州、ミサイル攻撃を受けた市場(Evgeniy Maloletka/AP通信)

ウクライナ東部ハルキウ州政府は21日、ロシア軍のミサイルが医療機関、モスク、商店街などを破壊し、民間人少なくとも3人が死亡、23人が負傷したと報告した。

ハルキウ州警察によると、ロシア軍は市内の主要な市場をクラスター爆弾で攻撃したという。同州政府は住宅や公共施設が被害を受けたと報告している。

ロシア外相は20日、「特別軍事作戦の対象は東部ドンバスにとどまらない」と述べ、東部ドネツク州とルハンシク州以外の地域にも再攻撃を仕掛けると示唆していた。

ロシア軍はハルキウ州制圧を試みたが、撤退を余儀なくされている。

一方、ウクライナ軍は南部ヘルソン州の奪還作戦を進めているとみられ、20日にロシア軍の補給ルートを破壊したと報告している。

ハルキウのテレホフ(Igor Terekhov)市長は21日のミサイル攻撃について、「ロシア軍は住宅密集地を狙った」とテレグラムに投稿した。

テレホフ氏はロシア軍の無差別攻撃が続いているとし、多くの住民がミサイルと砲撃にさらされていると非難した。

AP通信によると、市場で攻撃に巻き込まれた男性が死亡、その妻が軽傷を負ったという。警察はこの攻撃に巻き込まれた2人が病院に搬送されたと報告している。

ハルキウ警察の広報担当はテレグラムに、「市場は先日営業を再開し、商品が揃い始めていた」と投稿している。「ロシア軍は市場の買い物客を殺すためにクラスター爆弾を使用しました...」

ロイター通信などによると、クラスター爆弾が使用されたかどうかは現時点では分からず、市場を含む広い範囲にミサイルの破片と思われる金属片が散乱していたという。

ハルキウ州のシネグボウ(Oleg Synegubov)知事は市場への攻撃で少なくとも4人が重体、子供を含む数人が負傷したと報告した。また同氏によると、ロシア軍は校外の小麦畑を焼き払ったという。

ウクライナ政府は南部ミコライフ州、東部クラマトルスク、東部ドネツク州の広い範囲が砲撃を受けたと報告している。

クラマトルスクでは学校が破壊され、男性1人の死亡が確認された。当局によると、数人が瓦礫の下敷きになった可能性があるという。

ロシア軍が占領を目指す東部ドネツク州の前線の戦況はほとんど明らかにされていない。同州の東に位置するルハンシク州のガイダイ(Sergiy Gaiday)知事によると、この地域のウクライナ軍はロシア軍と一進一退の攻防を繰り広げているという。

一方、ロシアのラブロフ(Sergei Lavrov)外相は20日、国営メディアのインタビューの中で、ロシアは南部ヘルソン州やザポリージャ州を含むより多くの領土を支配下に置く計画であると語った。

米シンクタンク「戦争研究所」のアナリストはドネツク州におけるロシア軍の侵攻について、「スラビャンスクとバフムートに到達する前に失速する可能性が高い」と指摘している。

アナリストによると、ロシア軍は現在、人家が比較的まばらで開けた土地を移動するのに苦労しているという。ロシア軍は住宅密集地や雑木林を利用して支配地を広げてきた。

ウクライナ軍は開けた土地を移動するロシア軍を長距離兵器や榴弾砲で狙い撃ちしているとみられる。

英国防省も21日に同様の見解を示し、「東部のロシア軍はそろそろ力尽きる」と予想した。同省によると、ロシア軍は近いうちに一時停止を余儀なくされ、ウクライナ軍は反撃の機会を得る可能性が高いという。

ドネツク州のウクライナ軍は21日、ロシア軍が同州内の発電所に攻撃を仕掛けたが、撃退に成功したと報告した。

2022年7月21日/ウクライナ、東部ドネツク州郊外の穀物畑(Nariman El-Mofty/AP通信)
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