◎ウクライナ軍は国境近くのロシア領、約1300平方キロメートルを占領したとしている。
ウクライナ軍のシルスキー(Oleksandr Syrskii)総司令官は5日、ロシア西部クルスク州への越境攻撃について、「この1か月間で大きな成果を上げている」と強調した。
ウクライナ軍によるクルスク州への越境攻撃は31日目に突入。数十キロにわたる前線で激しい戦闘が続いているものとみられるが、その詳細はほとんど明らかになっていない。
ウクライナ軍は国境近くのロシア領、約1300平方キロメートルを占領したとしている。
シルスキー氏は米CNNのインタビューで、クルスク州への越境攻撃を擁護したうえで、東部ドネツク州などの戦況について、「ロシア軍は過去6日間にわたり、重要地域で1メートルも前進していない」と明らかにした。
しかし、ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は同日、ウ軍は越境攻撃で戦力を分散させ、その結果、東部ドンバス地方におけるロシア軍の進撃を抑えることができず、自ら防衛力を弱めたと指摘した。
ロシアは東部の戦線で戦いを有利に進めているものとみられる。
ウクライナ政府はこの越境攻撃について、ドネツク州の要衝ポクロフスクに向かうロシア軍の進軍を遅らせ、戦力を分散させるための戦略のひとつと述べている。
シルスキー氏はCNNに、「ポクロフスクを失わないために、やれることはすべてやっている」と述べた。
またシルスキー氏は「ロシアはこの6日間、ポクロフスク方面に1メートルも前進していない」とし、「我々の戦略は機能している」と述べた。
一方、プーチン氏はクルスク攻勢でロシアの前進を遅らせることはできず、それはドンバス地方におけるウクライナ軍の防衛力を弱めたと指摘した。
米シンクタンク戦争研究所などによると、ロシア軍はウクライナ東部からクルスク州に兵士をほとんど移動させていない。