◎ロシア軍はキエフに迫っており、一部地域では激しい戦闘が報告されている。
2022年2月27日/ウクライナ、首都キエフの市庁舎、ビタリ・クリチコ市長(Efrem Lukatsky/AP通信)

2月27日、ウクライナのキエフ市長は領土を防衛するために一致団結して戦うと述べ、西側諸国にさらなる支援を求めた。

元ボクシングヘビー級チャンピオンのビタリ・クリチコ市長はAP通信のインタビューの中で、「キエフは完全に包囲されているため、市民を安全に避難させることはできない」と語った。

ロシア軍はキエフに迫っており、一部地域では激しい戦闘が報告されている。

クリチコ市長は最前線で戦う兵士と平静を保っている市民を誇りに思っていると述べる一方、「いつまでもちこたえられるか不安に思っている」と心情を明かした。「食料品店は閉まり、地下鉄は防空壕に変わりました。住民の神経は確実にすり減っています」

またクリシコ市長は子供1人を含むキエフの市民少なくとも9人の死亡を確認したと明らかにした。

キエフの夜間外出禁止令は26日に発効し、28日の午前8時まで延長される予定である。クリチコ市長は対象の時間帯に外出した個人は敵兵と見なされる(間違えられる)可能性があると警告した。

クリシコ市長は26日の夜だけでロシア軍の工作員6人を殺したと述べ、市民に外出しないよう強く呼びかけた。「ウクライナ軍は市内を巡回し、工作員を探し、狩っています...」

ロシアの侵攻は多くの軍事専門家の予想より遅れているが、ロシア軍の優位は揺るがないと信じられている。

クリシコ市長はゼレンスキー大統領と電話で話した際、「ウクライナの主権、人格、知識、価値観をロシアに示すと約束した」と語った。「市役所の職員はショックを受けていますが、誰一人諦めていません。私たちはロシア軍が去るまで戦い続けると誓っています...」

市役所の一部職員は銃の配布を手伝っている。ゼレンスキー大統領は先日、キエフ市民の武装を認めた。

しかし、一部の専門家は戦闘経験のない市民を武装させることに懸念を表明している。AFP通信によると、軍当局はキエフ市民を装うロシアの破壊工作員への警戒を強めているという。

クリチコ市長はAP通信に、「状況を100%コントロールできているとは思わない」と語った。「戦争は突然始まりました。キエフの領土防衛システムは短時間で構築されたものであり、維持できているのは市民の愛国心のおかげです」

またクリクリチコ市長は「最も重要なことは国を守ることだ」と強調したうえで、食料や医薬品の在庫が少なくなっていることに懸念を表明した。「キエフは綱渡りをしています。現在は電気も水も暖房もきいています。しかし、食料や医薬品に必要なインフラの多くが破壊されました」

欧米諸国はウクライナに兵器だけでなくあらゆる物資を提供しているが、国境付近で物資を受け取った部隊がロシア軍に包囲されたキエフにたどり着けるという保証はない。

クリチコ市長は世界ヘビー級チャンピオンのように自分を奮い立たせた。「だからこそ、みんなで一緒にウクライナを支えよう...私たちは強いんだと。すべてのウクライナ人は独立したことを誇りに思い、ウクライナ人であることを誇りに思っています」

2022年2月25日/ウクライナ、首都キエフの地下鉄駅構内(Emilio Morenatti/AP通信)
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