◎ロシア国債のデフォルトも世界経済にさらなるショックを与える可能性がある。
2022年4月10日/ウクライナ、キーウ郊外ボロディアンカの配給所(Petros Giannakouris/AP通信)

世界銀行は10日、ウクライナの2022年の経済成長率はマイナス45%に達するという見方を示した。

また世界銀行はロシアの2022実質GDPも11%縮小すると予測した。

ロシア軍は首都キーウを含む各地のインフラ、公共・民間施設、空港、燃料貯蔵施設、民家などを破壊し、これまでに民間人数千人を殺害した。

ウクライナは小麦、ひまわり油、とうもろこし、大麦などの主要生産国であり、これらの輸出が壊滅的な被害を受けた結果、世界の食料供給も深刻な影響を受けている。

世銀欧州・中央アジア地域担当副総裁はレポートの中で、「戦争が引き起こした人道的危機の規模は驚異的」と警告した。「戦争はウクライナの経済に大打撃を与え、インフラに甚大な被害をもたらしています...」

ロシア・ウクライナ戦争は世界経済の減速、インフレ・債務・貧困世帯の急増など、多くの懸念に拍車をかけている。戦争がもたらす経済的な影響は商品市場、金融市場、貿易など、あらゆる分野に影響を与えた。

また戦争は欧州と中央アジアの新興国と発展途上国にも大打撃を与えている。

この地域の経済はコロナウイルスの影響で大きく傾いていたため、開戦前の時点で縮小することが確実視されていた。ロシアとウクライナに加え、ベラルーシ、キルギス、モルドバ、タジキスタンも今年、景気後退に陥ると予測されている。

また戦争はユーロ圏の経済成長を減速させ、商品・貿易・金融ショックによりすべての経済で成長予測が引き下げられた。

ロシア国債のデフォルトも世界経済にさらなるショックを与える可能性がある。

ロシアのシルアノフ財務相は10日、地元紙イズベスチヤのインタビューの中で、「欧米が国債のデフォルトを後押しすれば、法的措置を取る」と語った。「我々はルーブル建てに必要なあらゆる措置を講じており、これを妨害すればもちろん訴訟を起こします」

ロシアは西側の制裁で外貨の約半分を凍結されており、ドル・ユーロ建て国債をルーブルで支払うと主張している。

シルアノフ財務相は「外貨とルーブルの両方で支払う努力をしたという証拠を裁判所に提出するつもりだ」と語った。

西側はロシアのドル・ユーロ建て国債のルーブル払いを却下しており、100年以上ぶりの対外債務不履行に直面している。

一方、ゼレンスキー大統領は10日に放送された米CBSニュースのインタビューの中でNATOと国連を批判した。

ゼレンスキー大統領はCBSから、「なぜ安全保障理事会に対し、非外交的な発言をしたのか?」という質問に「結果が出ていないから」と一蹴した。「私はもう、ウクライナの破壊につながる彼らの外交に興味がありません...」

ゼレンスキー大統領は先週、安保理のビデオ演説の中で、「ロシアを罰するか、さもなければ国連を解散すべき」と発言していた。

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