◎プーチン露大統領はベラルーシの首都ミンスクでルカシェンコ大統領と会談した。
ウクライナ政府は19日、プーチン(Vladimir Putin)露大統領がベラルーシを訪問したことを受け、ベラルーシ国境の防衛体制を強化していると明らかにした。
内務省によると、ウクライナ軍はベラルーシ国境周辺の部隊に追加の弾薬を送る予定だという。
プーチン氏はベラルーシの首都ミンスクでルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領と会談した。
ルカシェンコ氏はウクライナへの派兵を否定しているが、ウクライナ国境に大隊を展開し、軍事演習も行っている。
ロシア国防省は18日、ベラルーシに駐留する部隊がベラルーシ軍と合同演習を行うと発表した。
ウクライナ軍は東部ヘルソン州をロシア軍から奪還した際、ベラルーシ国境付近まで占領地を解放した。ロシア軍はヘルソン州を定期的に攻撃している。
ルカシェンコ氏はロシアの「特別軍事作戦」に参加するようプーチン氏に圧力をかけられている可能性が高い。
しかし、ロシア大統領府は19日、ベラルーシに圧力をかけているという報道を「愚かなウソ」と断じた。
プーチン氏がベラルーシを訪問したのは3年半ぶり。一部の専門家は「プーチン氏は猫の手も借りたいほど追い詰められている」と指摘している。
両首脳は2時間半以上会談し、共同記者会見を行った。会談の内容は明らかにされていないが、プーチン氏は会見で、「ロシアは不特定多数の勢力の主張には影響を受けず、国家を併合しようなどとは考えていない」と語った。
プーチン氏によると、ベラルーシに潜伏する「敵対勢力」が「ロシアはベラルーシを併合する」という噂を流しているという。
米国務省のプライス(Ned Price)報道官はプーチン氏の発言を「皮肉の極み」と呼んだ。「ロシアはウクライナを併合したがっています...」
両首脳は経済関係、貿易、安全保障について語ったが、ウクライナにはほとんど触れなかった。
またプーチン氏は、ベラルーシ空軍の爆撃機の一部が核弾頭を搭載できるように改造され、ロシア軍がパイロットの訓練を支援していると明らかにした。
さらに、ベラルーシに防空システムと核弾頭を搭載できる弾道ミサイル「イスカンデル」を供与したことに言及し、「ベラルーシの安全保障は日を追うごとに強化されている」と述べた。
両首脳はウクライナ侵攻に全く触れなかったが、地元の独立系メディアは「プーチン氏がルカシェンコに派兵を迫ったことは明白である」と報じた。
西側の専門家やシンクタンクは、「ロシア軍はベラルーシ派兵の噂を流すことで、ウクライナ軍を北部国境に足止めさせたいと考えている」と指摘している。
ルカシェンコ氏はウクライナ侵攻への関与と派兵の噂を強く否定している。