◎ウクライナ軍によると、今年、東部の紛争地で死亡した兵士は36人に達したという。
2021年5月6日/ウクライナ東部ドネツクに設置された塹壕(AP通信/Felipe Dana)

5月7日、ウクライナ軍は同国の東部地域を支配する分離主義者の攻撃で兵士2人が死亡し、1人が負傷したと述べた。

ロシアはウクライナ東部国境付近の兵力を著しく増強したうえで、ウクライナ政府から領土を奪取した分離主義者を支援し、ドンバス戦争の停戦協定「ミンスクⅡ」を脅かしていたが、先月末、配備した多くの部隊に撤退を命じた。

ロシアは2014年にクリミアを併合し、その後、「クリミア共和国(自称)」とドンバス地域の「ドネツク人民共和国(自称)」「ルガンスク人民共和国(自称)」の独立を承認したが、国連と国際社会はこれを認めておらず、分離主義者と見なしている。

ドンバス地域はウクライナの領土だが、ロシアと分離主義者はこの主張を却下している。

ウクライナ軍によると、今年、東部の紛争地で死亡した兵士は36人に達したという。ウクライナ軍とロシアの支援を受ける分離主義者によるドンバス戦争の死者数は14,000人を超え、解決に向けた交渉は行き詰まっている。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とドミトロ・クレーバ外相は7日、東部の紛争地域近くの都市にベルギー、オランダ、ルクセンブルグの外相を招いた。

ベルギーのソフィー・ウィルメス外相は会談後の記者会見で、「ドンバスの状況はエスカレートしています」と述べた。「問題を解決するためには話し合わなければなりません。ベルギーとEUは、対話が紛争を解決する唯一の道だと確信しています」

現地メディアによると、ゼレンスキー大統領の報道官は会談後の声明で、東部の紛争地域に足を運んでくれた3外相に謝意を示したという。「私たちはドンバスの現状を直接見てもらうことが重要だと考えています。ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、そしてEUとその他の関係諸国の支持に感謝します。クリミア、ドンバス、ドネツク、ルハンシク地方はウクライナの領土であり、私たちは市民の生活を向上させるためにインフラストラクチャーに投資し続けます...」

5月6日に首都キエフでゼレンスキー大統領と会談したアントニー・ブリンケン米国務長官は、「アメリカはウクライナを支持している」と述べた。

ゼレンスキー大統領とブリンケン国務長官は会談後の記者会見で、ロシアは東部から軍隊の一部を撤退させたが、まだかなりの数の兵士と兵器が残っており、緊張状態は続いていると警告した。

2021年5月7日/ウクライナ、左からウクライナのドミトロ・クレーバ外相、ベルギーの外相、ルクセンブルグの外相、オランダの外相(Ukrainian Foreign Minister Press Office/AP通信)
2021年5月6日/ウクライナ東部ドネツクに設置された塹壕、ウクライナ軍の兵士(AP通信/Felipe Dana)
2021年5月6日/ウクライナ東部ドネツクに設置された塹壕、銃を持つウクライナ軍の兵士(AP通信/Felipe Dana)
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