◎ウクライナとNATOの合同訓練シーブリーズ2021は2週間続く予定で、アメリカ、NATO同盟国およびウクライナから軍艦約30隻と航空機40機が参加すると伝えられている。
ウクライナと北大西洋条約機構(NATO)は28日、黒海での合同軍事演習を開始した。
イギリスの駆逐艦NHSディフェンダーは先週、クリミア沖でロシアの戦闘機と交戦しかけたが、戦闘には至らなかった。ロシア軍は声明で、「戦闘機はディフェンダーの進路に爆弾を投下し、クリミア半島沖からイギリス軍を退去させた」と主張した。
しかし、イギリスはこの主張を否定し、ディフェンダーは威嚇されておらず、ただウクライナの領海を航行しただけと反論した。
ウクライナとNATOの合同軍事演習シーブリーズ2021は2週間続く予定で、アメリカ、NATO同盟国およびウクライナから軍艦約30隻と航空機40機が参加すると伝えられている。
米国海軍のカイル・ガント大尉は28日、「演習の参加国は国際水域への自由なアクセスを確保するというコミットメントを共有している」と述べた。
ロシア国防省は訓練を批判したうえで、注意深く監視するとNATOを威嚇した。
ロシアは、「英駆逐艦ディフェンダーはロシアの領海を航行した」と主張したが、クリミア沖はウクライナの領海であり、国際社会は2014年のクリミア併合とロシアの支援を受け独立した自称人民共和国を認めていない。
ロシアは2014年にウクライナに侵攻し、クリミア半島を併合したうえで、半島の北に位置するドンバス地域のドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立を承認したが、国連と国際社会は併合と分離主義者の独立を却下した。
ワシントンD.C.にあるロシア大使館は先週、合同訓練の中止を求め、ロシア国防省は必要に応じて自国の領海を守るために行動すると警告した。
一方、ウクライナは合同訓練の目的について、「地域の平和維持およびNATOとの安全保障活動の経験を積むため」と述べた。
ウラジーミル・プーチン大統領は今年、ウクライナ東部にロシア軍を集結させたうえでウクライナとNATOを威嚇したが、その後大隊に撤収を命じ、緊張は緩和された。