◎ロシアは5月9日の対独戦勝記念日に向け、各地で攻勢を強めているとされる。
ウクライナ北東部ハルキウ州の知事は7日、ロシア軍が複数の地域を激しく砲撃しているとテレグラムの投稿で明らかにした。
ハルキウ州の大部分はロシア軍の占領下に置かれたとされているが、ウクライナ軍はこれに激しく抵抗し、各地で激しい戦闘が続いている。
AP通信はハルキウの戦況について米国防総省高官のコメントを引用し、「ウクライナ軍の反攻は成果を上げている」と報じた。
ハルキウの州知事はテレグラムの投稿で住民に外出を控えるよう強く促した。知事によると、ロシア軍はウクライナ軍の拠点だけでなく住宅地も砲撃し、一部の地域は巡航ミサイルで狙い撃ちされたという。
また州知事は「空襲警報(サイレン)」を無視しないよう住民に呼びかけた。
ロシアは5月9日の対独戦勝記念日に向け、各地で攻勢を強めているとされる。
ウクライナ当局は、ハルキウを含むロシアの占領下に置かれた地域で独立の是非を問う「偽の住民投票」が行われる可能性があると警告している。
これらの地域では避難時にパスポートを押収されたり、ロシアの食料援助を受けた際にパスポート番号を報告するよう命じられたという情報が伝えられている。ゼレンスキー大統領は個人情報をロシア軍に渡さないよう呼びかけている。
東部ドンバスのテロ国家であるルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国は、ロシアへの編入の是非を問う住民投票を行う予定である。
ロシア国境に近いハルキウは開戦当初からロシア軍の激しい攻撃を受けてきたが、ロンドンに拠点を置く国際戦略研究所によると、ウクライナ軍は現在、州都ハルキウ周辺の広いエリアを奪取しているという。
さらに同研究所は、「ウクライナ軍はロシア軍のハルキウ包囲網の圧力を押し返し、その勢いはロシア国境まで達する可能性がある」と指摘した。
州都の郊外で働く医師は英BBCニュースのインタビューの中で、「気を緩めることはできない」と語った。「ハルキウはロシア国境に近く、開戦以来、街は常に攻撃にさらされてきました。残念ながら、戦争が続いている限り気を緩めることはできず、警戒態勢を維持しなければなりません」