リフォームUK党首「イギリスを再び偉大にする」党大会で宣言
リフォームUKはイギリスの右派ポピュリスト政党で、2021年に「ブレグジット党(Brexit Party)」から改称して発足した。
.jpg)
イギリスの新興右派政党「リフォームUK」のファラージ(Nigel Farage)党首は5日、「イギリスを再び偉大にする」用意ができていると表明した。
ファラージはバーミンガムで開催された党大会で「政権に就く準備を開始する」と強調。「2大政党(労働党と保守党)は崩壊状態にあり、我々だけがイギリスを悩ませている怒りと絶望を和らげ、イギリスを再び偉大にすることができる」と語った。
またファラージ氏は「リフォームUKが政権を取った場合、2週間以内にボートによる不法移民の流入を阻止し、立ち止まって身体検査を行う警察活動とネットゼロ政策を復活させる」と約束した。
スターマー(Keir Starmer)首相は不法入国した移民をルワンダに送還するという前保守党政権の計画を破棄。人身売買組織を摘発し、そのビジネスモデルを破壊することで、移民問題をコントロールするとしてきた。
しかし、今年イギリスに到着した移民は8月末時点で3万2000人を超え、昨年同時期から50%も増加している。
政府の統計によると、24年7月から25年6月の間の亡命申請者は11万人超。その多くがアフリカや中東の紛争地から逃れた人々であった。
イギリス各地で反移民派と親移民派の対立が深まる中、ファラージ氏は反移民政策で主導権を握り、与党・労働党と最大野党・保守党の両方を打ち負かすこができると考えているようだ。
現地メディアによると、バーミンガムの会場には入場待ちができるほどの支持者が押し寄せたという。
リフォームUKはイギリスの右派ポピュリスト政党で、2021年に「ブレグジット党(Brexit Party)」から改称して発足した。
前身のブレグジット党もファラージ氏が率い、EU離脱の実現を掲げて2019年の欧州議会選挙で躍進したが、イギリスが正式にEUを離脱したことで存在意義が薄れ、路線転換を余儀なくされた。
その結果、新党名リフォームUKとして活動を続けることになった。
リフォームUKの基本的立場は小さな政府、低税率、規制緩和、移民制限、国家主権の強化といった保守的かつナショナリスト的な方向性にある。
特に移民問題については厳格な管理を主張し、現行制度では大量の移民流入が経済や社会保障に負担を与えるとして強硬な姿勢を示している。
また、保健医療制度NHSの改革、グリーン政策の見直し、エネルギー自給の強化なども重要な政策分野として掲げている。
政治的には労働党と保守党という二大政党に比べれば小規模な勢力にとどまるが、保守党が弱体化した際には右派票を奪う存在として注目される。
特に保守党が中道寄りの政策を打ち出すと、不満を持つ保守層やEU懐疑派の受け皿となる傾向がある。
2024年の総選挙においてはファラージ氏が再び党首に復帰し、反移民・反エスタブリッシュメントを前面に打ち出して支持拡大を図った。
リフォームUKが単独で政権を担う可能性は低いが、イギリス政治において保守党に対する圧力団体としての役割を果たしており、今後も移民や国家アイデンティティをめぐる議論で一定の影響力を行使し続けるだろう。