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イギリスで移民デモ激化、対応に追われるスターマー政権

極右政党の支持者たちは24日、このホテルの近くに集まり、「移民は帰れ」などと叫んだ。
2025年8月24日/イギリス、ロンドン近郊、移民の権利拡充を訴える抗議デモ(AP通信)

イギリス各地で週末、反移民派と親移民派が抗議デモを行った。

ロンドンの裁判所は最近、市郊外にある難民申請者向けのホテルに収容されている移民・難民を退去させるよう命じた。

極右政党の支持者たちは24日、このホテルの近くに集まり、「移民は帰れ」などと叫んだ。

政府はこの判決を受け、対応に追われている。

地元メディアによると、各地の移民収容施設は軒並み満員とのこと。それでも、新たな移民はフランスからドーバー海峡を渡ってやってくる。

スターマー(Keir Starmer)首相は不法入国した移民をルワンダに送還するという前政権の計画を破棄。人身売買組織を摘発し、そのビジネスモデルを破壊することで、移民問題をコントロールするとしてきた。

しかし、今年イギリスに到着した移民は8月初めの時点で2万5000人を超え、昨年同時期から60%近く増加している。

移民問題はイギリスを含む西欧諸国が戦争で荒廃した国々、貧困、気候変動で荒廃した地域、政治的迫害から逃れるためにより良い生活を求めて流入する移民への対応に追われる中、政治的な焦点となっている。

イギリスではこの数カ月、公費で数万人の難民申請者を収容していることに対する不満が高まっていた。

政府は24日、難民申請の審査を加速し、未処理案件の積み残しを解消する措置を講じると発表した。

反移民を公約に掲げるイギリスの新興右派政党「リフォームUK」は過去数カ月で支持率を一気に伸ばし、スターマー政権に圧力をかけている。

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