◎容疑者は亡命希望者を保護する施設に焼夷弾のようなものを少なくとも2~3個投げつけ、車で逃走した。
イギリス当局は30日、イングランド南東部ドーバーの入国管理センターに焼夷弾のようなものを投げ込んだ容疑者が自殺したと発表した。
ケント州警察によると、容疑者は亡命希望者を保護する施設に焼夷弾のようなものを少なくとも2~3個投げつけ、車で逃走したという。この攻撃で少なくとも2人が軽傷を負い、移民700人以上が避難を余儀なくされた。
BBCニュースは当局者の話を引用し、「容疑者は近くのガソリンスタンドで死亡しているのが確認された」と報じた。身元と死因は明らかにされていない。
その後、州警察は声明で「容疑者を特定した」と発表した。容疑者の車には別の武器が残されていたという。
地元議員はラジオ局のインタビューで、「センター内にいるすべての移民は庇護下にあり、必要な予防措置を取っている」と説明した。
ブレイバマン(Suella Braverman)内相はツイッターに声明を投稿。攻撃に深刻な懸念を表明した。
BBCによると、事件は州警察が担当し、テロ対策部門は現時点では関与しない方針だという。
ドーバーはフランスからイギリスへの亡命を希望する人々の到着地である。ドーバー海峡横断を試みる移民は近年急増しており、英当局によると、今年イギリスに不法入国した移民は4万人を超え、昨年の2万8000人を大きく上回った。2020年は8500人だった。
昨年11月に発生したボートの転覆事故では27人が死亡している。
イギリスとフランスは人身売買組織を阻止する方法でもめている。
ジョンソン(Boris Johnson)前首相は今年、不法入国した移民をルワンダに送るという物議を醸す計画を発表した。人権団体はこの計画を非人道的と非難し、法廷で争っている。