◎M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。
イギリスの保健当局は6日、国内でM痘(エムポックス)の変異株に感染した患者が4人確認されたと明らかにした。
この変異株はアフリカ中央部・コンゴ民主共和国で初めて検出された。専門家によると、変異株は従来の株より感染力が強いものの、症状に大きな変化はみられないという。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。空気感染を起こした事例は確認されていない。
イギリス当局は先週、国内で初めてM痘変異株の患者1人を確認したと報告していた。この患者は最近アフリカに渡航し、現在はロンドン市内の病院で治療を受けている。
当局によると、最初の患者と同じ地域に住む3人が変異株に感染していたという。
当局は声明で、「M痘変異株は家庭内で広がるリスクがあるため、注意が必要だ」と述べた。
専門家によると、変異株の症状は従来型に比べると軽く、感染に気付きにくいため、広がりやすいという。
イギリスは22年、100カ国以上に広がったM痘集団感染で3000人を超える感染者を報告した。
ブルンジ、ケニア、ルワンダ、ウガンダでも変異株が見つかっている。
スウェーデン、インド、ドイツ、タイでも旅行者の単発症例が報告された。