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イギリス極右政党、反移民を追求「政権取ったら全員国外追放」

イギリスでは公費で数万人の難民申請者を保護していることに対する不満が高まっている。
2025年8月24日/イギリス、ロンドン近郊、移民の国外追放を訴える団体(AP通信)

イギリスの新興右派政党「リフォームUK」のファラージ(Nigel Farage)党首は26日、次回の総選挙で勝利した場合、欧州人権条約から脱退し、子供を含む不法入国者全員を即時に拘束・国外退去させると表明した。

ファラージ氏は記者会見で、英仏海峡を渡る移民船と難民申請者が激増し、反移民と親移民派の対立が続く中、トランプ米政権を念頭に「移民の波に打ち勝ち」と主張した。

ファラージ氏は記者団に対し、「我が党が政権を取った場合、イギリスに不法入国した者は拘束され、国外退去処分になる。絶対に絶対に滞在を許可しない」と語った。

またファラージ氏は「この問題に対する国民の感情には絶望と怒りが含まれている。対策を取らなければ、公共秩序に対する真の脅威が生じる」と主張した。

さらに「子供への対応ははるかに複雑だ」と認めつつも、「女性や子供を含む、到着した全員を拘束、追放する」と述べた。

イギリスでは週末、全国各地で反移民派と親移民派が抗議デモを行った。

スターマー(Keir Starmer)首相は不法入国した移民をルワンダに送還するという前政権の計画を破棄。人身売買組織を摘発し、そのビジネスモデルを破壊することで、移民問題をコントロールするとしてきた。

しかし、今年イギリスに到着した移民は8月25日時点で2万9000人を超え、昨年同時期から50%も増加している。

政府の統計によると、24年7月から25年6月の間の亡命申請者は11万人を超えたという。その多くがアフリカや中東の紛争地から逃れた人々であった。

移民問題はイギリスを含む西欧諸国が戦争で荒廃した国々、貧困、気候変動で荒廃した地域、政治的迫害から逃れるためにより良い生活を求めて流入する移民への対応に追われる中、政治的な焦点となっている。

イギリスではこの数カ月、公費で数万人の難民申請者を保護していることに対する不満が高まっていた。

政府は難民申請の審査を加速し、未処理案件の積み残しを解消する措置を講じると発表している。

反移民を公約に掲げるリフォームUKは過去数カ月で支持率を一気に伸ばし、スターマー政権に圧力をかけてきた。

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