◎イギリスへの亡命を希望する人々の多くがフランス北部から出港する。
イギリス警察は29日、ドーバー海峡で亡命希望者少なくとも27人が溺死した事件に関与したとされる32歳の男を逮捕したと発表した。
国家犯罪対策庁(NCA)によると、容疑者はイギリスとフランス両当局の監視対象となり、南西部チェルトナムで拘束されたという。罪状は明らかにしていない。
NCAはこの男が組織的な人身売買に関与したとみている。
移民を乗せた満員のボートは昨年11月末、ドーバー海峡で沈没した。当局によると、27人の死亡を確認し、少なくとも4人の行方が分かっていない。救助されたのはわずか2人だった。
NCAの副長官は声明で、「今回拘束した男は人身売買と移民の死に関与した疑いがある」と述べ、過失致死罪で起訴される可能性があるという見方を示した。
BBCニュースなどによると、容疑者は30日にロンドンのミンスター地方裁に出廷する予定。
イギリスへの亡命を希望する人々の多くがフランス北部から出港する。その多くに人身売買組織や地元のギャングが関与しているとみられる。
イギリスの沿岸警備隊によると、今年ドーバー海峡を横断して同国に不法入国した移民は4万人を超え、昨年通年の2万8000人を大きく上回ったという。2020年は約8500人だった。