◎スペインのレアル・マドリードは催涙ガスと唐辛子スプレーが飛び交う歴史的な一戦を制した。
UEFA(欧州サッカー連盟)は30日、フランスのスタッド・ド・フランスで行われたチャンピオンズリーグ決勝の混乱を調査すると発表した。
スペインのレアル・マドリードは催涙ガスと唐辛子スプレーが飛び交う歴史的な一戦を制し、史上最多14度目の欧州制覇を決めた。
一方、フーリガンで有名な英リバプールのサポーターは試合開始前の催涙ガス、唐辛子スプレー、敗戦のトリプルパンチに見舞われ、卒倒した。
UEFAは「決勝戦に関わったすべての団体の意思決定、責任、行動を検証する」としている。
またUEFAはポルトガルのロドリゲス(Tiago Brandao Rodrigues)議員を調査委員会の責任者に任命し、調査が完了次第、指針を策定するとした。
UEFAは「すべての関係者から証拠を集め、報告書は公表される」と述べている。
ロドリゲス氏は今年3月まで教育相を務め、世界アンチ・ドーピング機構の委員を務めている。
一方、フランス政府は30日、決勝戦前の混乱を引き起こしたのは「組織ぐるみのチケット詐欺」と指摘した。
しかし、イギリスのマスコミと政治家は治安当局の取り締まりを「やりすぎ」と批判している。BBCニュースは専門家のコメントを引用し、「リバプールが勝っていたとしても、イギリス政府は抗議すべきだ」と報じた。
スペイン政府はこの事件に関する声明を発表していない。
フランスのダルマナン(Gerald Darmanin)内相は記者会見の中で、「リバプールFCはサポーターに電子チケットではなく紙のチケットを提供していたため、産業規模の大規模な詐欺に発展した可能性がある」と指摘した。
またダルマナン氏は、約6万2000人のリバプールサポーターが提示したチケットのうち、3分の2以上が偽物だったと強調した。
ダルマニン氏は治安部隊のスプレー攻撃を擁護し、「当局の決断が死者や重傷者を出さなかったと、もう一度言いたい!」と語った。
熱烈なリバプールサポーターはスタッド・ド・フランス前に大行列を作った後、催涙ガスと唐辛子スプレーを浴びた。混乱の結果、キックオフは36分遅れ、視聴者をイライラさせた。
UEFAは当初、キックオフ遅れをサポーターの入場手続き問題によるものと説明していたが、その後、偽造チケットが複数確認されたためと修正した。
リバプールのあるサポーターはBBCニュースのインタビューの中で治安部隊の取り締まりを「恥辱」と呼び、激しく非難している。
英首相府の報道官は、「決勝戦の混乱にひどく動揺し、心配している」と声明を発表し、フランス政府に独立した完全な調査を求めた。