◎トルコ、米国、EUは「クルド労働者党（PKK）」をテロ組織に指定している。
トルコのエルドアン（Recep Tayyip Erdogan）大統領は28日、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に反対する立場を堅持すると記者団に語った。
日刊紙ヒュリエト（Hurriyet）によると、エルドアン氏は28日にアゼルバイジャンを訪問した際、機内で記者団に対し、「テロを支援する国のNATO加盟にイエスとは言えない」と述べたという。
またエルドアン氏は先週行われたフィンランドとスウェーデン代表との会談に不満を表明し、「両国はトルコの安全保障上の懸念を軽減する措置を示さなかった」とした。
エルドアン氏は代表団協議の後にスウェーデンの公共放送が放送したシリア北部のクルド人武装勢力のメンバーのインタビューに言及した。「これこそ、スウェーデンがトルコに対する反乱を主導してきた非合法なクルド人武装勢力を支援している証拠です...」
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
トルコ、米国、EUは「クルド労働者党（PKK）」をテロ組織に指定している。
エルドアン氏は、フィンランドとスウェーデンを「不誠実」と非難し、「テロリストを受け入れ、養う国々を決して許さない」と誓った。また、ドイツ、フランス、オランダもクルド人を支援していると非難した。
シリアで活動するクルド人民兵部隊「クルド人民防衛部隊（YPG）」はこの地域のイスラム国（ISIS）との戦いで主導的な役割を果たしている。
フィンランドとスウェーデンはロシアによるウクライナ侵攻への警戒感から方針を一転させ、NATO加盟を目指すこととした。加盟には現加盟30カ国の合意が必要である。
NATO加盟国の中で2番目に大きな軍隊を保有するトルコは、この2カ国がPKKを含むクルド人武装勢力への対応を改め、トルコに対する武器輸出制裁を解除しない限り、加盟に反対するとしている。
エルドアン氏は30日にウクライナとロシアの両首脳と電話会談を行う予定。
