◎両国は今年7月、貨物便や市民の往来を約30年ぶりに再開し、国交正常化に大きく前進した。
トルコとアルメニアの首脳が6日、チェコの首都プラハで直接会談した。
両国は今年7月、貨物便や市民の往来を約30年ぶりに再開し、国交正常化に大きく前進した。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領とアルメニアのパシニャン(Nikol Pashinyan)首相は欧州44カ国首脳会議に先立ち会談したと伝えられている。
報道によると、会談は非公開で行われ、アルメニアの宿敵アゼルバイジャンのアリエフ(Ilham Aliyev)大統領も同席したという。会談の詳細は明らかにされていない。
トルコとアルメニアは昨年、貨物便や市民の往来を再開することを目的とした協議を開始することで合意した。両国の特使はそれ以来、4回会談を行ったとされる。
その結果、トルコの最大都市イスタンブールとアルメニアの首都エレバンを結ぶ航空便の運航が再開された。
トルコ人とアゼルバイジャン人はチュルク語系民族であり、強い絆で結ばれている。
一方、アゼルバイジャンとアルメニアは係争地ナゴルノカラバフをめぐって対立し、トルコはアゼル人との連帯を示すために1993年にアルメニア国境を封鎖した。
ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
2020年に勃発したこの地域をめぐる紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷した。両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。
トルコとアルメニアは1915年にオスマントルコで行われた虐殺や強制送還で推定150万人のアルメニア人が死亡したことをめぐり、100年以上対立している。
両国は2009年、国境を解放することに合意したが、アゼルバイジャンの強い反対を受け、この合意は破棄された。
アルメニア軍とアゼルバイジャン軍は先月、ナゴルノカラバフとアルメニア国境付近で衝突。両軍の死者は150人を超えたと報告されている。両国はロシアの仲介を受け停戦に合意した。