EU、トランプ政権への報復関税8月に延期、交渉で解決目指す

2024年の米国の対EU貿易赤字は1086億ユーロ(約18兆6880億円)。輸入額は4273億ユーロ、輸出額は3187億ユーロであった。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長(左)とトランプ米大統領(Getty Images)

EUは13日、米国の関税に対する対抗措置の停止を8月上旬まで延長し、交渉による解決を引き続き求めると表明した。

トランプ政権は相互関税の上乗せ分の発動を8月1日に延期。貿易相手国にさらなる譲歩を要求している。

トランプ(Donald Trump)米大統領は12日、8月1日からEUおよびメキシコからのほとんどの輸入品に30%の関税を課すと発表。他の国々にも同様の警告を発し、「米国が納得する協定」を3週間以内に締結するよう迫った。

ホワイトハウスのハセット(Kevin Hassett)国家経済会議委員長は13日、これまでに各国が示した貿易協定案について、トランプ氏を満足させるものではなく、改善が見られない限り「関税は現実のものとなる」と述べた。

ハセット氏はABCニュースのインタビューで、「トランプ大統領は合意がより良いものでなければならないと考えている」と語った。

またハセット氏は「トランプ大統領は進行中の交渉について、事実上線を引き、書簡を送付した。最終結果がどうなるかは相手次第だ」と述べた。

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は13日、ブリュッセルの記者団に対し、「EUはこれまで通り、2つのアプローチを維持する」と述べた。

またフォンデアライエン氏は「交渉による解決を望んでおり、その考えに変わりはなく、これまで通り、期限を決めて相手と協議することになる」と述べ、対抗措置の停止を8月まで延長するとした。

ドイツのメルツ(Friedrich Merz)首相は13日、公共放送ARDの取材に対し、「米国との貿易解決策を見つけることに本気でコミットしている」と語った。

またメルツ氏は今後2週間半にわたって、フォンデアライエン氏やフランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領と連携してこの問題に集中的に取り組むとした。

2024年の米国の対EU貿易赤字は1086億ユーロ(約18兆6880億円)。輸入額は4273億ユーロ、輸出額は3187億ユーロであった。

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