ゼレンスキー氏、週末に米フロリダ州を訪問、トランプ氏と協議へ
ゼレンスキー氏は声明で、ウクライナの安全保障の保証と戦後の復興支援に関する議論を行う予定であり、現在協議中の20項目からなる計画は「約90%完成している」と述べた。
とウクライナのゼレンスキー大統領(Getty-Images/AFP通信).jpg)
ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は26日、ロシアとの戦争終結に向けた外交努力の一環として、今週末にトランプ(Donald Trump)米大統領とフロリダ州で会談すると発表した。
ゼレンスキー氏は声明で、ウクライナの安全保障の保証と戦後の復興支援に関する議論を行う予定であり、現在協議中の20項目からなる計画は「約90%完成している」と述べた。
ゼレンスキー氏によると、会談では安全保障の保証に加えて経済協力や領土問題も扱われる。安全保障の保証には、戦争終結後にウクライナへの侵攻再開を防ぐための国際的な枠組みが含まれる見込みであり、ウクライナ側はNATOに準じるような強固な保障の獲得を求めている。さらに、戦後の復興支援や再建資金、経済協定についても協議するが、「年内に最終合意が成立するかどうかはまだ確認できない」と述べている。
今回の会談はほぼ4年間続くロシアとウクライナの戦争を終わらせるための大きな外交的取り組みの一部であり、トランプ政権下で主導される和平推進の努力を象徴する。ロシア側とウクライナ側の要求が大きく異なるため交渉は難航しているが、ウクライナと米国は協議を継続しており、両国は高いレベルでの協力体制を維持している。
ゼレンスキー氏は、欧州諸国も交渉に参加すべきだと強調しているが、短期間で欧州を加えることは難しいとの認識を示した。また「ウクライナと米国だけでなく、欧州も代表される形式を近いうちに見つけなければならない」と語り、将来的な多国間協議の必要性を訴えた。
戦争終結に向けた具体的な障壁としては、領土問題が依然として大きな争点となっている。特に東部ドンバス地域では、ロシアがルハンスクの大部分とドネツク州の約70%を支配しており、ゼレンスキー政権は攻撃を止め、国際的な監視下で非軍事化した地域を設けることなどを提案しているが、ロシアは撤退の意向を示していない。
戦闘は続いており、ロシア軍の攻撃によりザポリージャやハルキウ地域で死傷者が出るなど市民被害が報告されている。またウクライナ軍もイギリス製の巡航ミサイルでロシアの主要な製油所を攻撃するなど軍事行動を継続している。
米ウクライナ首脳会談は和平案策定の重要な転換点となる可能性があるが、最終合意に至るまでの道のりは依然として不透明である。ウクライナは引き続き国際社会の支援を求めつつ、戦後の安全保障と再建に向けた協議を進める方針である。
