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フランス・パリ爆破テロ未遂事件、警察が3人逮捕、ケガ人なし


事件は28日未明、市内にある米金融機関バンク・オブ・アメリカの建物の前で発生した。
2026年3月28日/フランス、パリ市内、バンク・オブ・アメリカ前の通り(AP通信)

フランス・パリ中心部で発生した爆破テロ未遂事件について、捜査当局は29日、これまでに3人を逮捕したと明らかにした。警察の迅速な対応により爆発は阻止されたが、国際情勢の緊張を背景に、欧州におけるテロ警戒の高まりを示す事例となった。

事件は28日未明、市内にある米金融機関バンク・オブ・アメリカの建物の前で発生した。警察によると、不審な動きをしていた2人の男を警戒中の警察官が発見し、そのうちの1人が手製の爆発装置に点火しようとしたため、その場で拘束した。装置は可燃性液体が入った容器と起爆装置で構成され、内部には約650グラムの爆発性粉末が含まれていたという。適切に作動していれば重大な被害をもたらした可能性がある。

逮捕されたのは未成年で、さらにその後の捜査で関係者2人が拘束された。逃走していた共犯者や、犯行を支援した人物の特定も進められている。捜査当局は放火未遂や爆発物の製造・所持に加え、テロ組織との関与の可能性も視野に調べている。

容疑者の1人は取り調べに対し、SNSを通じて勧誘され、報酬として約600ユーロを提示されたと供述している。犯行は計画的で、現場まで車で運ばれていた可能性も指摘されている。こうした手口は近年欧州各地で見られる「代理実行型」の攻撃と共通し、背後関係の解明が焦点となっている。

ヌニェス(Laurent Nuñez)内相は今回の事件について「テロ性のある暴力行為が未然に阻止された」と評価し、警察の迅速な対応を称賛した。その上で、中東情勢の緊迫化を背景に国内の警戒レベルは依然として高い状態にあると強調した。実際、当局はイランを巡る紛争との関連性についても慎重に調べており、親イラン勢力による間接的な関与の可能性も指摘されている。

標的となったバンク・オブ・アメリカはこれまでも脅威の対象とみなされていた。欧州では近年、米国やユダヤ系施設を狙った攻撃や未遂事件が散発的に発生し、今回の事案もその流れの中に位置付けられる可能性がある。

地元メディアによると、国家対テロ検察庁(PNAT)が捜査を主導し、国内情報機関や司法当局と連携して全容解明を進めている。爆発装置は回収され、専門機関による詳細な分析が行われている。

今回の事件では負傷者は出なかったものの、もし爆発していれば死傷者が出ていた可能性がある。繁華街に近い立地であることから、通行人や周辺施設への被害も避けられなかったとみられる。

欧州各国では中東情勢の悪化に伴い、テロの脅威が再び高まっている。フランス政府は引き続き警備体制の強化を進める方針で、市民に対しても警戒を怠らないよう呼びかけている。今回の未遂事件は国際政治と国内治安が密接に結びついている現状を改めて示すものとなった。

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