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▽セルビアでは昨年11月から政府与党と駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
2025年2月15日/ セルビア、クラグイェヴァツ、政府与党に抗議するデモ(ロイター通信)

セルビア中部クラグイェヴァツで15日、政府与党に抗議する集会が開かれ、数万人が参加した。

デモを主催する学生たちは氷点下の気温をものともせず、全土からバスや徒歩でクラグイェヴァツに向かった。

約140キロ離れた首都ベオグラードでも集会と行進が行われ、公務員や医師らも参加した。

セルビアでは昨年11月から政府与党と駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。

このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。

この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。

ノビサドの事故は市中心部の鉄道駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。

この駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。

ブチェビッチ(Milos Vucevic)首相は先月末、対話に応じるようデモ隊に求め、辞任。ノビサドの市長も同日辞任した。

野党は広範な汚職とずさんな改修計画が事故を招いたとして、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に辞任を要求している。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。

政府与党は過去の抗議デモを鎮めることに成功してきたが、現在の学生運動は農業組合、弁護士、医師、裁判官、教師、俳優など、あらゆる階層から広く支持を集めている。

クラグイェヴァツのデモ隊は15人の犠牲者への追悼の意を込めて、市内の大通りを15時間15分にわたって封鎖。15分間の黙祷も捧げた。

ベオグラードから車で現地入りしたという20歳の公務員はAP通信の取材に対し、「私たちはより良い明日のために、汚職に反対するためにここにいる」と語った。

正午にはクラグイェヴァツに通じるすべての道路で大渋滞が発生。地元住民や企業はパイやお茶などを会場に持ちこみ、デモ隊に振る舞った。

クラグイェヴァツ在住の教師はロイター通信に「10代の娘と一緒に参加した」と語った。「こんなに幸せで誇らしい気分になったのは久しぶりです...」

一方、ブチッチ氏はデモ隊を「外国勢力」と呼び、公共放送RTSもデモ隊が外国から報酬を得ていると主張。「国家転覆を企てている」と連日放送している。

検察は昨年末、駅崩落に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。

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