▽会場周辺にはAfDに抗議する集会が開かれ、数千人が「ナチスにノー!」と叫んだ。
ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が11日、東部ザクセン州で党大会を開き、ワイデル(Alice Weidel)党首を首相候補に正式に任命した。
会場周辺にはAfDに抗議する集会が開かれ、数千人が「ナチスにノー!」と叫んだ。
AP通信によると、機動隊が暴徒化したデモ参加者の一部を連行したという。党大会はこの混乱により、開始が2時間ほど遅れた。
デモの主催者によると、全国から1万2000人が集まったという。警察は参加者を8000人を報告している。
機動隊は党大会の会場に押し入ろうとするデモ隊に唐辛子スプレーを吹き付け、拘束した。
デモ主催者は声明で機動隊を非難。「私たちは強制送還や襲撃の恐怖にさらされることなく、安全に暮らす権利を行使しているだけだ」と主張した。
また主催者は「ファシズムに居場所はない」と述べた。
警察はデモ隊が党大会のコンベンションセンターに押し入ろうとしたと主張。「暴力は確認されていない」と述べたが、現地メディアは複数人が殴られたと報じている。
ドイツ通信社(dpa)によると、デモ隊は同センターに続く道を封鎖しているという。
ワイデル氏は開口一番、「左翼の暴徒が攻撃に打って出た」と吠え、「私たちは左翼に立ち向かう」と強調。党員たちを祝福した。
またワイデル氏はデモ隊を「テロリストのようだ」と非難した。
ドイツでは2月23日に連邦議会選挙が行われる。最新の世論調査によると、AfDの支持率は18~21%で推移し、中道右派の最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ2位につけている。
AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。2014~15年のシリア難民危機時には移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。
AfDの支持率は堅調に推移しているが、他政党はAfDとの連携を拒否しているため、ワイデル氏が首相に就任する可能性は低い。
ワイデル氏は9日、トランプ次期米政権の閣僚候補であるマスク(Elon Musk)氏とX(旧ツイッター)ライブを配信した。