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冬至の日の出をストーンヘンジで イングランド

ストーンヘンジは紀元前3000〜紀元前1500年頃に建造されたとされる先史時代の環状列石で、太陽の運行と季節の節目を測るために設計されたと考えられている。
2025年12月21日/英イングランド南西部、古代遺跡「ストーンヘンジ」(AP通信)

12月21日、イングランド南西部ウィルトシャーのストーンヘンジで冬至の日の出を祝うため、世界中から数千人の人々が集まった。参加者は暗く冷たい夜明け前の野原に集結し、日の出とともに歓声を上げ、踊り、祝祭的な雰囲気に包まれた。

参加者の多くは仮装や伝統衣装に身を包み、ドラムを叩いたり歌を歌ったりして夜明けを待った。一部の人々はストーンヘンジの巨大な石柱の間に立ち、静かに思いを巡らせるなど、それぞれにとって特別な時間を過ごした。ドゥルイド僧やペイガン(多神教信仰者)、モリス・ダンサーなど多様な人々が集い、宗教的・精神的な体験としてこの冬至を祝った。

ストーンヘンジは紀元前3000〜紀元前1500年頃に建造されたとされる先史時代の環状列石で、太陽の運行と季節の節目を測るために設計されたと考えられている。特に冬至と夏至に太陽が特定の石の間から昇るように配置されており、古代の農耕社会にとって重要な暦の節目であった。

当日は北半球で最も昼の時間が短い日であり、天文学的な冬の始まりとして位置付けられている。この日を境に日照時間は徐々に延びていくため、光の復活や再生を象徴する祝いとしても受け止められている。

主催者の推計によると、今年の日の出観覧には約8500人が集まり、オンラインでのライブ配信視聴者はさらに多数に上ったという。参加者の中にはオーストラリアや米国など遠方から訪れた人々もおり、この古代遺跡が持つ文化的・精神的な魅力の大きさを示した。

気温は低く、夜明け前の冷気が漂う中でも、人々は日の出に向けて期待を高めた。夜明けとともに放たれたオレンジ色の光が石の列を照らすと、集まった群衆からは歓声と拍手が巻き起こり、祝祭は最高潮に達した。

この冬至の集いは数千年の歴史を持つストーンヘンジにおいて、古代と現代が交差する瞬間として毎年恒例の重要な行事になっている。参加者にとって自然のリズムと人類の営みを感じる象徴的な時間となった。

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