◎アルメニア政府は先月、ナゴルノカラバフの人道状況について協議するため、国連安全保障理事会に緊急会合を要請した。
赤十字国際委員会は18日、アルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフに小麦粉と医薬品を届けたと発表した。
ナゴルノカラバフはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
2020年の紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。
両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルは主要都市シュシャを含むナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われた。
アゼル政府は昨年12月以来、アルメニアからナゴルノカラバフに通じる道路(通称ラチン回廊)を封鎖しており、ナゴルノカラバフへの物資輸送が大幅に制限される事態となっている。
地元メディアによると、ラチン回廊の封鎖によってナゴルノカラバフの市民約12万人が深刻な食料不足に直面しているという。その多くがこの地域にとどまったアルメニア人とみられる。
赤十字はアルメニアから小麦粉、アゼルから医薬品をそれぞれナゴルノカラバフに届けたとしている。
それによると、この地域で生活する住民の大半が人道支援を必要とし、パンをもらうために何時間も並んでいるという。
アルメニアの国営テレビは政府高官の話しとして、「今回の輸送はラチン回廊の開放を意味するものではない」と伝えている。
この政府高官によると、アルメニアが提供した小麦粉は約20トンに過ぎないという。
アルメニア政府は先月、ナゴルノカラバフの人道状況について協議するため、国連安全保障理事会に緊急会合を要請した。