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「二日酔いなしのクラブ気分」ジムを満喫する20代の若者たち


BBCによると、ロンドンなどの主要都市で夜間に開催されるフィットネスクラスが人気を集めているという。
イギリス、ロンドン市内のジム(BBCニュース)

イギリスで20代の若者の夜の過ごし方に変化が生じている。従来のナイトクラブやバーでの飲酒を中心とした娯楽に代わり、トレーニングジムで仲間と運動を楽しむ新たな社交スタイルが広がっている。「クラブのような雰囲気だが二日酔いはない」という点が、多くの若者の共感を呼んでいる。

BBCによると、ロンドンなどの主要都市で夜間に開催されるフィットネスクラスが人気を集めているという。室内は暗めの照明に包まれ、音楽が大音量で流れ、参加者はインストラクターの指示に合わせて体を動かす。その空間はダンスフロアに似た高揚感を持ち、参加者同士が一体感を共有する点でクラブ文化に近い。しかし、そこにアルコールはなく、代わりに運動による爽快感や達成感が中心となる。参加者は「運動後の気分の高まりはクラブに匹敵する」としつつ、「翌朝も体調が良い」と語る。

こうした動きの背景には、健康志向の高まりがある。若い世代では飲酒量が減少し、身体的・精神的な健康を重視する傾向が強まっている。特に「ソバーキュリアス(Sober Curious)」と呼ばれる、あえて飲酒を控えるライフスタイルが注目されており、自己管理やウェルビーイングを重視する価値観が浸透している。

ソバーキュリアスとはお酒を飲める体質・機会があるものの、健康や美容、生活の質向上を目的として「あえて飲まない」「少量しか飲まない」選択をするライフスタイルである。コロナウイルスの流行を経て生活習慣を見直す動きも、この傾向を後押ししたとされる。

経済的な要因も見逃せない。都市部ではクラブやバーの利用費が上昇しており、頻繁に通うには負担が大きい。一方、ジムは月額制で利用できる場合が多く、費用対効果の面で優れていると評価されている。さらに、運動と社交を同時に満たせる点が効率的だと受け止められている。

SNSの影響も顕著である。トレーニングの様子や健康的な生活スタイルが共有されることで、同様の行動を取る若者が増えている。ジムは単なる運動施設ではなく、コミュニティ形成や自己表現の場としての役割も担うようになっている。

専門家は、この現象を一過性の流行ではなく、価値観の変化の表れとみている。アルコール中心の娯楽から、健康や自己成長を重視する活動への移行は今後も続く可能性が高い。ジムで夜を過ごすという新たな選択肢は、現代の若者文化を象徴する動きとして定着しつつある。

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