▽フィツォ氏は最近、外交政策の方向性を変え、EUとNATOから離脱する可能性があると発言。野党の怒りを買った。
スロバキアの首都プラチスラバなどで24日、政府与党に抗議する集会が開かれ、数万人がフィツォ(Robert Fico)首相の親ロシア政策を非難した。
デモ隊はフィツォ氏が昨年末にロシアを訪問し、プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談したことや、ロシア寄りの政策に抗議した。
地元メディアによると、集会は全国28カ所で行われたという。
フィツォ氏は最近、外交政策の方向性を変え、EUとNATOから離脱する可能性があると発言。野党の怒りを買った。
プラチスラバの会場には「フィツォはロシアに還れ」「さよならフィツォ」「スロバキアはロシアではない」などと書かれた横断幕が掲げられた。
フィツォ氏は今週初め、野党がクーデターを企てているという情報機関の報告書を国会に提出。詳細は明らかになっていないが、フィツォ氏は野党が政府転覆計画の一環として、政府庁舎を占拠し、道路を封鎖し、全国的なストライキを組織し、警官隊との衝突を引き起こすつもりであると主張した。
野党はこの報告書を「親ロシアの偽情報」と非難。フィツォ氏が情報機関を悪用して偽情報を拡散していると主張した。
フィツォ氏はウクライナ支援を停止するなど、EUの親欧米派に反旗を翻し、ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相と共にロシア寄りの姿勢を取っている。
ウクライナ政府は昨年末、ロシア産天然ガスをウクライナ経由で欧州にパイプライン輸送する契約を延長せず、この結果、スロバキアやハンガリーなどへのガス供給は停止された。