コラーゲン摂取で「しわ」の発生を止めることはできない
コラーゲンは元来、体内で皮膚、爪、骨、結合組織などに広く存在する重要なタンパク質であるが、加齢とともに体内での生成量が減少し、その分解も進むことが知られている。
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日々のコラーゲンサプリメントの摂取は肌の弾力性や保湿力を高める効果があるものの、しわを防ぐ決定的な手段ではないという科学的レビュー結果が発表された。イギリスのアンリア・ラスキン大学の研究チームがこれまでに行われた複数の臨床試験の結果を統合して解析した結果であり、コラーゲンの役割と限界が示された形だ。
コラーゲンは元来、体内で皮膚、爪、骨、結合組織などに広く存在する重要なタンパク質であるが、加齢とともに体内での生成量が減少し、その分解も進むことが知られている。これが肌の弾力性低下やしわ形成の一因と考えられているため、粉末や錠剤のサプリメントが美容目的で広く利用されている。しかし、今回の包括的レビューでは、113件に及ぶランダム化比較試験を含む16件のシステマティックレビューを対象にした解析の結果、しわや肌の粗さを大幅に改善するような裏付けは見いだせなかった。
研究チームはコラーゲン摂取が「短期間のしわ消しの即効薬」になるという主張は科学的根拠が不足していると指摘する。一方で、長期間にわたって日々継続して摂取することで、肌の弾力性や水分保持能力の改善につながるという一定の利益は「信頼できる証拠」があると評価した。これにより、肌全体の健康や老化予防の一部をサポートする役割があるとしつつも、単独でしわを防止するものではないと結論づけた。
また、コラーゲン摂取は皮膚以外にも関節のこわばりや痛みの軽減、骨や軟骨の健康維持といった面でプラスの影響が見られるとの報告もあり、加齢に伴う関節症状の緩和に役立つ可能性があるとしている。こうした効果には、一貫した継続摂取が重要であり、短期的な利用では十分な効果が出ないと指摘する。
研究を主導したリー・スミス(Lee Smith)教授は今回のレビューがこれまでの研究を総合したものであり、「大胆なアンチエイジング効果を謳う製品広告の多くが科学的根拠に欠ける」と述べ、消費者に過度な期待を抱かせないよう注意を促した。スミス教授はさらに、日常的な食事や生活習慣が肌の健康に寄与することの重要性を強調し、ビタミンCやたんぱく質豊富な食品の摂取がコラーゲン合成を助ける可能性にも言及した。
専門家は今回の結果について、サプリメントとしてのコラーゲンが「根拠のある健康効果を持つ」一方で、表皮のしわを直接なくすことを証明するものではないとする見方で一致している。特に中高年層や紫外線ダメージを受けた肌に対しては、全体的なスキンケアの一環として位置付けられるべきだとの意見が多い。さらなる高品質な臨床データの蓄積が、今後の研究課題となっている。
