スイス政府、金融大手UBSに260億の追加資本要件を課す

UBSの株価は提案に関する数ヶ月にわたる不確実性により欧州の同業他社に後れを取ってきたが、6日午後に政府の提案が公表されると急騰。最大7%上昇し、24年5月以来の高値となった。
スイスの金融大手UBSのロゴ(Getty Images)

スイス政府は6日、金融大手UBSに対し、コア資本を260億ドル追加で保有するよう求める、より厳しい規則を提案した。

コア資本とは金融機関の自己資本比率を計算する際に用いられる「質の高い」自己資本のことで、普通株や内部留保など、損失を吸収しやすい資本を指す。

この提案は法律が施行された後、UBSが6~8年間かけて資本を増やす期間が与えられ、UBSは海外子会社の全株式を取得する必要がある。

これは多くのアナリスト、議員、経営陣が予想していた提案の内容とほぼ一致していた。

UBSの株価は提案に関する数ヶ月にわたる不確実性により欧州の同業他社に後れを取ってきたが、6日午後に政府の提案が公表されると急騰。最大7%上昇し、24年5月以来の高値となった。

それでも、UBSはこの提案を「極端」「国際的に不適切なもの」と批判した。

政府はこの提案により、UBSがAT1債券の保有額を80億ドル削減できると説明した。

AT1債は債券と株式の中間的な特性を持つ証券のひとつ。原則、償還期限のない永久債として発行される。

UBSは現在、海外子会社の資本を60%しか充当する必要がなく、一部をAT1債で賄うことが可能だ。

UBSの経営陣は追加の資本負担が同行を競合他社に対して不利な立場に置き、スイスの金融センターの競争力が損なわれると主張している。

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