スイス・ブラッテンに土砂流入、9割埋まる、64歳男性行方不明

ブラッテンの地元当局は2週間前、アルプスの山腹から大量の土砂が流れ込む可能性があるとして、約300人の住民に避難を命じていた。
2025年5月28日/スイス、南部バレー州、アルプスの土砂と氷河が流入したブラッテン(AP通信)

スイス南部バレー州の人気観光地ブラッテンにアルプスの土砂と氷河が流入し、64歳の男性が行方不明になっている。

ブラッテンの地元当局は2週間前、アルプスの山腹から大量の土砂が流れ込む可能性があるとして、約300人の住民に避難を命じていた。

地元テレビ局が28日に報じた映像には凄まじい量の土砂が斜面を駆け下り、ブラッテンに押し寄せる様子が映っていた。

スイス放送協会は当局者の話しとして、「村の9割が土砂に飲み込まれた」と報じている。

バレー州警察は29日、行方不明になっている男性の捜索・救助活動を続けていると声明を出した。

それによると、サーマルカメラを搭載したドローンを使って男性を捜索しているという。

自治体は村の上流にある氷河の大部分が崩落し、土砂崩れを引き起こしたと説明している。

専門家はこの土砂崩れで近くの川が埋まり、上流から流れてくる水が溜まって天然のダムになる可能性があると警告した。

当局は先週、避難の対象に家畜も加え、羊、牛、ウサギをヘリや陸路で輸送。中央政府がこれを支援し、消防、警察、自治体がヘリを投入した。

専門家は当時、村の上流にある150万立方メートルの氷河が崩壊する可能性があると指摘。これまでにいくつかの小さな土砂崩れが確認されていた。

中部ベルニーズアルプスの集落ブリエンツは2年前、巨岩を含む岩石流が村のすぐ近くまで押し寄せ、全住民が避難。昨年にも土砂崩れのリスクがあるとして、一時避難を余儀なくされた。

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