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スイス40人死亡バー火災、負傷者116人全員の身元特定、警察が発表

今回の発表では、当初報告されていた119人から3人が除外され、改めて集計し直した結果と説明された。
2026年1月4日/スイス、南部バレー州クランモンタナ、バー火災が発生した現場近く(AP通信)

スイス南部バレー州のクランモンタナで1月1日未明に発生したバー火災について、警察は5日、負傷した116人全員の身元を確認したと明らかにした。

今回の発表では、当初報告されていた119人から3人が除外され、改めて集計し直した結果と説明された。火災は1月1日未明、人気のバー「Le Constellation(ル・コンステレーション)」で発生し、40人が死亡、116人が負傷した。負傷者のうち68人がスイス国籍で、フランスやイタリアなど複数の国籍の人々が含まれている。83人は現在も入院治療を受けているが、当局は負傷者の年齢や容体の詳細は明らかにしていない。

火災が発生したのは1月1日午前1時30分ごろ、クラブ内は新年を祝う人々でごった返していた。当局によると、シャンパン瓶の上に飾られたスパークリングキャンドルが天井に触れて発火し、そこに使用されていた防音材に燃え移った可能性があるという。炎は瞬く間に広がり、多くの客が避難を急ぐ中で混乱が起きたとされる。身元確認にはDNA解析や家族からのDNA提供が必要となるケースもあった。

当局は既に犠牲者40人全ての身元確認を完了しており、最年少は14歳であった。遺体は各国に順次返還され、1月5日にはイタリア当局が5人の遺体を搬送した。親族や消防士、軍関係者らが見守る中、警察官が棺を運び、別れを告げる光景が見られた。

火災を受けて、バー管理者2人に対する刑事捜査も進行中だ。バレー州検察によると、2人は過失致死や過失傷害、火災を発生させた過失の疑いで取り調べを受けている。現時点で逮捕には至っていないものの、捜査が続いている。出火原因の究明と合わせて、防火管理や避難経路の確保などバーの安全体制に問題がなかったかも検証される見込みだ。

今回の火災は、スイスでは近年稀に見る惨事として国全体に衝撃を与えた。現場のクランモンタナは冬季スポーツや観光で知られる人気リゾート地であり、多くの外国人観光客が訪れる。そのため、被害に遭った外国人の遺族からは悲嘆の声が上がり、地元住民や関係者も深い悲しみに包まれている。中央政府や自治体は追悼の意を示すとともに、今後の安全対策強化に向けた検討を進める方針を示している。

火災発生から数日間、クランモンタナでは犠牲者を悼む追悼行事が続いた。市民や観光客が現場近くに花やキャンドルを供え、犠牲者の冥福を祈る姿が見られた。地元当局は今回の惨事を教訓とし、公共の歓楽施設における防災・安全対策の徹底を強調している。

今回の火災は一夜の祝祭が悲劇に変わったことで、国内外で安全基準や規制のあり方に関する議論を呼び起こしている。今後の捜査や論点は、事故原因の究明と責任追及だけでなく、同様の悲劇を防ぐための制度的対応にも向けられることになりそうだ。

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