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スイス政府、バー火災の被害者に一時金支払いへ、41人死亡

この火災は新年を祝うバーで発生し、41人が死亡、115人が重軽傷を負った。
2026年1月31日/スイス、南部バレー州クランモンタナ、バー火災が発生した現場近く(ロイター通信)

スイス政府は25日、南部バレー州のクランモンタナで1月1日未明に発生したバー火災について、被害者に対し、一時金として一人当たり5万スイスフラン(約1000万円)を支給する方針を明らかにした。 これは重傷を負った生存者および死亡した被害者の遺族を対象として実施される。

この火災は新年を祝うバーで発生し、41人が死亡、115人が重軽傷を負った。犠牲者の多くは10代の若者で、フランスやイタリアなど国外からの観光客も含まれていた。火災はバー地下の防音用発泡材にスパークリングキャンドルの火花が引火したことが原因とみられている。
政府はこの支援策について、「被害者とその家族への迅速な財政支援を提供し、政府の思いやりを示すものだ」と声明で説明した。支払い対象は原則として死亡した個人および入院治療を受けたすべての人とされる。政府はこの支払いに約780万フランを充てる計画で、被害者支援のためにバレー州が約1000万フランを財団へ提供している。

政府はまた被害者、保険会社、当局の間で法的紛争を避けつつ解決を図るための会議を開く方針を示し、 最大2000万フランを当事者間の裁判外和解支援に充てる可能性を示している。加えて、バレー州が負担する特別費用を支援するために850万フランを割り当てる計画もあるという。これらの措置は、現行の被害者支援制度が大規模災害に対応しきれないとの司法当局の分析を踏まえて決定された。

パルムラン(Guy Parmelin)経済相は記者会見で、「我々も何が起きたのか、なぜ防げなかったのかを知りたいという被害者と家族の思いを共有している」と述べ、真相解明と再発防止への取り組みを強調した。

この火災を巡っては、バーの安全検査が2019年以降実施されていなかった疑いなど、予防措置や規制の不備が指摘されており、被害者家族や市民から批判が集まっている。また、外国籍の被害者の多さから隣国との間で調査や補償を巡る協力を求める声も出ている。これを受け、州や連邦レベルで安全基準の見直しや災害対応の強化が求められる可能性がある。

スイス政府の支援措置は被害者支援の迅速化と社会的連帯を示す試みとされるが、一方で今後の法的責任や安全管理体制の検証が課題として残されている。

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