◎公共放送スウェーデン・テレビ(SVT)などの出口調査は与党が僅差で勝利すると予測していた。
スウェーデンで11日、総選挙が行われた。
選挙管理委員会によると、開票率90%の時点でアンデション(Magdalena Andersson)首相率いる社会民主労働党は30.5%を獲得し第1党を守るとみられるが、連立を組む他の左派政党は票を伸ばせず、右派連合が過半数を獲得する見込み。
反移民を推進する極右を含むチームポピュリストは過去最高の成績を収める可能性が高い。
しかし、選挙管理委員会は海外有権者の票など、一部の未集計票の集計が完了する14日まで結果は分からないという見方を示している。
11日深夜時点で、アンデション氏の社会民主労働党は30.5%を獲得したが、連立を組む左派3党は票を伸ばせず、過半数獲得は難しいようにみえる。
<スウェーデン総選挙 開票率90% 定数349議席>
▽与党 173議席
▽右派 176議席
公共放送スウェーデン・テレビ(SVT)などの出口調査はアンデション陣営が僅差で勝利すると予測していた。
アンデション氏は11日、支持者への演説で、「結果はまだ分からないが、平等な社会づくりと強力な福祉国家を理想とする社会民主主義体制がスウェーデンに根強く残っていることは明らかだ」と語った。
今回の勝者は反移民を掲げる極右のスウェーデン民主党になる見込み。同党は第2党および最大野党になると見込まれている。
また同党は銃乱射事件やギャング関連の暴力を徹底的に取り締まると約束し、支持を伸ばした。
地元メディアによると、同党は白人民族主義運動をルーツとするが、数年前に過激な思想を排除したという。有権者は長い間、穏健派に転向したと主張する同党を受け入れず、敬遠していた。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻に端を発するインフレやエネルギー危機、亡命希望者の急増を受け、有権者の考えは変わりつつあるようだ。
なお、右派の首相候補は穏健党のクリステルソン(Ulf Kristersson)党首になる見込み。
スウェーデン民主党は声明で、「政権交代となれば、我々がその中核を担うことになる」と述べている。
スウェーデン民主党は約21%、穏健党は約19%を獲得する見通し。
クリステルソン氏は11日深夜の集会で、「連立政権を発足させることになるだろう」と述べた。
SVTは専門家の話を引用し、「今回の連立交渉も長く厳しく険しいものになるだろう」と報じている。
アンデション氏は昨年11月、同国初の女性首相に選ばれたものの、就任から数時間後に党の予算法案が否決されたことを受け辞任。それから1週間も経たぬうちに首相に再任された。