◎新内閣は穏健党のクリステルソン党首が率いると伝えられている。
スウェーデンのアンデション(Magdalena Andersson)首相が11日投開票の議会選で右派に敗れたことを認め、辞意を表明した。
選挙管理委員会によると、開票率99%の時点でアンデション氏いる社会民主労働党は30%超を獲得し第1党を守るとみられるが、連立を組む他の左派政党は票を伸ばせず、右派連合が過半数を獲得する見込みだ。
<スウェーデン総選挙 開票率99% 定数349議席>
▽与党 173議席
▽右派 176議席
新内閣は穏健党のクリステルソン(Ulf Kristersson)党首が率いると伝えられている。
右派連合にはギャングや銃犯罪を厳しく取り締まると約束した極右スウェーデン民主党が含まれている。
結果はまだ確定していないが、アンデション氏は14日の記者会見で敗北を認め、15日に辞任すると発表した。
アンデション氏は昨年11月に同国初の女性首相となったが、就任から数時間後に党の予算法案が否決されたことを受け辞任。それから1週間も経たぬうちに再任した。
今回の選挙はギャング、移民、戦争、電気料金の高騰などが争点となり、大接戦となった。
スウェーデン民主党は長い間除け者扱いされてきたが、今回約20%の票を獲得し、第2党に躍進した。
同党は懲役刑の長期化や移民の受け入れ制限など、「スウェーデンの治安と安全を確立する」という公約を掲げ、支持を集めた。
しかし、同党のオーケソン(Jimmie Akersson)党首は他の右派政党から全面的な支持を得られなかったため、首相に就任する可能性は低い。
代わりに、穏健党のクリステルソン氏が新内閣を率いる予定だ。
クリステルソン氏は14日、「スウェーデンと国民のために働く用意がある」と語った。
スウェーデン民主党は1980年代末の「ネオナチ運動」「白人民族主義運動」をルーツとするが、数年前に過激な思想を排除し、徐々に力をつけてきた。
クリステルソン氏は3年前、スウェーデン民主党と同盟を結ぶための協議を開始。首相候補のひとりと呼ばれるようになった。
選挙管理委員会によると、海外の票や郵便投票の集計はまもなく完了する見込み。結果は今週中に確定するとみられる。