◎この女は2014年8月から16年12月にかけて、イスラム国(ISIS)の支配下でジェノサイド(集団殺害)、超法規的殺人、人身売買などに加担したとされる。
内戦下のシリアにおける少数派ヤジディ教徒の女性と子供に対する「人道に対する罪」などの容疑で起訴されたスウェーデン国籍の女(52歳)が出廷した。スウェーデンの地元メディアが7日に報じた。
この女は2014年8月から16年12月にかけて、イスラム国(ISIS)の支配下でジェノサイド(集団殺害)、超法規的殺人、人身売買などに加担したとされる。
被告はシリア北部ラッカでこれらの犯罪を犯した罪に問われている。
地元メディアによると、同国内でヤジディ教徒に対する戦争犯罪の裁判が行われるのは初め。審理や2カ月ほど続く予定だ。
被告はヤジディ教徒の女性や子供たちを奴隷のように扱い、ISIS戦闘員に明け渡して性奴隷にしたり、処刑させたりしたとみられる。
検察は先月、イラクでのISIS虐殺を調査する国連チームからの情報提供により、女の身元と犯罪を特定することができたと明らかにしていた。
それによると、被告はラッカの自宅でヤジディ教徒を完全に、あるいは部分的に消滅させる目的でISISの活動に積極的に参加したという。
AP通信は関係者の話しとして、「被告は子供を含む9人を最長7カ月間監禁し、奴隷として扱ったほか、数人を虐待した疑いも持たれている」と伝えている。
また被告は当時生後1カ月だった乳児の口を手で押さえて黙らせたという暴行容疑もかけられている。
さらに被告は処刑されるか性的虐待を受けると分かっていながら、人々をISIS戦闘員に明け渡した人身売買の罪にも問われている。
被告は容疑を否認している。