◎スウェーデンではギャング間抗争が社会問題になっており、車上荒らし、銃乱射、爆弾テロ、手榴弾による攻撃などが多発している。
スウェーデン・ストックホルム北西部にあるバーで何者かが銃を乱射し、2人が死亡、2人が負傷した。地元当局が22日、明らかにした。
それによると、事件はストックホルム郊外のバー店内で21日遅くに発生。20歳と70代の男性2人が死亡、2代女性と50代男性が負傷したという。
ストックホルム警察の担当官は地元メディアの取材に対し、「容疑者は20歳の男性を狙った可能性が高く、残り3人は攻撃に巻き込まれたとみられる」と語った。
担当官によると、容疑者は店内で数発発砲した後、20歳の男性を射殺したという。店内は満席で混雑していたようだ。
スウェーデン通信(TT)は専門家の話しとして、この銃撃事件について、「ギャングもしくは麻薬密売組織の対立の可能性がある」と伝えている。
TTによると、犯行声明を出した組織は確認されていないという。
スウェーデンではギャング間抗争が社会問題になっており、車上荒らし、銃乱射、爆弾テロ、手榴弾による攻撃などが多発している。
政府の統計によると、今年これまでに261件の銃撃事件が発生し、36人が死亡、73人が負傷している。
TTは首相府関係者の話しとして、「ギャング間抗争に市民が巻き込まれた可能性があるとは、世も末だ」と伝えた。
今月初めには13歳の少年がストックホルム近郊の自宅近くの森で何者かに頭を撃たれ死亡した。容疑者は捕まっていない。
この射殺事件はトルコ国籍のギャングリーダーと、その元部下が率いる2つのギャングの間で麻薬と武器をめぐる確執が原因で起こったと言われている。
クリステション(Ulf Kristersson)首相はギャング関連の犯罪に対処すべく、刑法を強化している。スウェーデン国家警察のトップは今月初め、「複数のギャングが同国に前例のない暴力の波をもたらしている」と指摘した。