◎スウェーデンは200年以上にわたって軍事同盟への加盟を避け、軍事的中立を保ってきた。
スウェーデンの与党社会民主党は15日、同国のNATO加盟を支持すると発表した。
アンデション(Magdalena Andersson)首相は、「国民とほとんどの野党が支持している加盟に向けて努力する」と述べた。正式な加盟申請は数日以内に行われると思われる。
またアンデション首相は、「核兵器の配備やNATO基地の受け入れには反対する」とした。「社会民主党はNATO加盟が我が国とスウェーデン国民の安全保障を確立するうえで最善と判断しました」
同日、フィンランドは正式にNATO加盟を申請した。
ロシアのプーチン大統領はNATOの東欧拡大に反対しており、フィンランドとスウェーデンが加盟を申請すれば「結果を伴う」と警告している。
スウェーデンは200年以上にわたって軍事同盟への加盟を避け、軍事的中立を保ってきた。
アンデション首相は、「社会民主党は軍事的中立が我が国を支えてきたことを理解しているが、現在の地域情勢を考えると、これほど役に立たないものはないという結論に至った」と説明した。
またアンデション首相は、「NATOに加盟しなければスウェーデンは厳しい立場に置かれるだろう」と指摘した。
フィンランドのニーニスト(Sauli Niinisto)大統領は15日、NATO加盟を正式に表明すると発表し、この日を「歴史的な日」と呼んだ。
ニーニスト大統領は14日にプーチン大統領と電話会談を行っている。
ニーニスト大統領は記者団に「ハッキリさせておく」と語った。「私とフィンランドはこそこそ隅に隠れたり、ひっそり姿を消したりしません...」
ベルリンではNATO外相会合が開催されている。
NATOはフィンランドとスウェーデンの加盟手続きについて、「全加盟国(30カ国)が批准するまで両国に安全保障を提供する」と約束した。承認プロセスは最長1年とされる。
ドイツのベーアボック(Annalena Baerbock)外相は記者団に、「申請中に安全保障の空白が発生することはあり得ない」とした。
一方、米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官とNATOのストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は、フィンランドとスウェーデンの加盟に対するトルコの反対を克服する自信があると述べた。
トルコは北欧諸国が数十年にわたって同国でテロリストと見なされているクルド人武装勢力「クルド労働者党(PKK)」を支援してきたと非難している。
トルコのチャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相は15日、スウェーデンとフィンランドにテロリストへの支援を止め、トルコへの輸出禁止を解除しなければならないと指摘した。