◎ストックホルムで先月末に行われたイスラム教の聖典コーランの写しを燃やすデモはイスラム国家の怒りを煽った。
2023年1月21日/スウェーデン、首都ストックホルム、コーランの写しを燃やす極右指導者(ロイター通信)

スウェーデン政府は2日、首都ストックホルムのモスク近くで行われたコーラン焼却デモを「イスラム嫌悪」と厳しく非難した。

同外務省は声明で、「政府はストックホルムで個人が行ったイスラム嫌悪、イスラム教徒にとって不快なものを非難する」と述べている。

また同省は「これらの行為は政府の見解を反映したものではない」と強調した。

ストックホルムで先月末に行われたイスラム教の聖典コーランの写しを燃やすデモはイスラム国家の怒りを煽った。

イスラム教徒の権益を守ることを目的に掲げる国際機構「イスラム協力機構(OIC)」は2日、コーランを守るための臨時会合を本部のあるサウジで開いた。

OISは会合後に声明を発表。加盟57カ国に対し、コーランの写しが冒とくされる事件の再発を防ぐために、統一的かつ集団的な行動を取るよう促した。

スウェーデン外務省は次のように述べている。「コーランやその他の聖典を燃やすことは攻撃的かつ無礼な行為であり、明らかな挑発行為である。人種差別、外国人嫌悪、それに関連する不寛容な表現はスウェーデンを含む欧州に存在しない」

また同省は「集会、表現、デモを行う権利は憲法で保護されている」とした。

スウェーデン警察はコーラン焼却デモを禁じるという以前の決定がストックホルム地裁で覆されたため、表現と言論の自由を理由にこのデモを許可していた。

イラク、クウェート、UAE(アラブ首長国連邦)、モロッコなどの国々がストックホルムのコーラン焼却デモに抗議して駐スウェーデン大使を召還している。

スウェーデン警察はデモを許可したものの、その後、デモ参加者がモスク近くでコーランの写しを燃やし、何度も踏みつけたことについて、「特定の民族への暴力を煽る行為」として捜査を開始した。

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は先月末、このデモを糾弾し、「スウェーデンのNATO加盟は遠のいた」と示唆した。

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