◎フィンランドとスウェーデンは先月、NATOに加盟を申請した。
NATOは5日、バルト海における約2週間の海軍演習を開始し、NATO加盟を目指すフィンランドとスウェーデンを含む16カ国の兵士7000人以上が参加した。
1972年に始まった毎年恒例の合同軍事演習「BALTOPS」は特定の脅威に対応するものではない。
NATOは声明の中で、「NATO軍事同盟はフィンランドとスウェーデンを含む16カ国と、予測不可能な世界における同盟国の統合力・回復力・強さを再確認する」と述べている。
フィンランドとスウェーデンは先月、NATOに加盟を申請した。
ロシアは両国の加盟申請は問題ないとする一方、両国にNATOの兵器が配備されれば「結果が伴う」と警告している。
米軍の制服組トップはBALTOPS 2022の開催国であるスウェーデンで演習を行う意義と、NATO加盟を目指す同国とフィンランドとの関係を強化することが重要であると述べている。
ミリー(Mark Milley)統合参謀本部議長は4日、首都ストックホルム中心部の港に停泊した強襲揚陸艦キアサージで記者会見し、「この演習でフィンランドとスウェーデン両国と連帯することが、我々米国と他のNATO諸国にとって重要だ」と語った。
またミリー将軍はバルト海を「戦略的に重要な海路のひとつ」と強調した。
フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟すれば、ロシアはポーランドとリトアニアに挟まれた飛び地カリーニングラードとロシアの都市サンクトペテルブルグ周辺を除き、バルト海の海岸線をNATOに包囲されることになる。
NATO加盟国でロシアと良好な関係を維持するトルコは、フィンランドとスウェーデンがトルコでテロ組織に指定されているクルド人武装勢力を支援しているという理由で、両国の加盟に異議を唱えている。
ミリー将軍はキアサージのような大型軍艦をスウェーデンの首都に派遣したのは初めてと述べ、同盟強化の意義を強調した。
フィンランドとスウェーデンは1990年代半ばからこの演習に参加している。演習の期間は約2週間、6月17日に終了する予定。