◎極右運動「ハードライン」はイスラム教の聖典コーランを燃やす集会で物議を醸している。
2022年4月15日/スウェーデン、中部エレブロ、炎上するパトカー(Kicki Nilsson/TT News Agency/AFP通信)

スウェーデンの中部エレブロで15日、イスラム教の聖典コーランを燃やす極右グループの集会に反対する抗議デモが行われ、一部の抗議者が警察官に石を投げつけた。

地元メディアによると、警察官4人と一般市民1人が負傷し病院に搬送されたという。

警察は声明で、「集会に反対する一部の抗議者が石を投げ、警察の非常線に突撃し、パトカー4台に火をつけた」と明らかにした。

デンマーク系スウェーデン人のラスマス・パルダン(Rasmus Paludan)が率いる反移民・反イスラムを推進する極右運動「ハードライン」は2日連続で集会を開催し、コーランを盛大に燃やした。

集会は当局の許可を得ていたため、警察はデモ隊を取り締まらざるを得なかった。地元メディアによると、抗議者は15日の夕方までに現場を離れたという。

東部リンシェーピングでも14日にコーランを燃やす集会が開催され、暴動が発生。警察官3人が病院に搬送され、暴動に関与したとされる市民2人が逮捕された。

スウェーデン警察の長官は15日の記者会見で、「警察の最も重要な仕事のひとつは、憲法で保障されている集会の権利を守ることだ」と述べた。「スウェーデンは民主主義国家であり、自分の意見を表明する権利を保障しています」

また長官は、「警察は集会を選ぶことはできず、法律に違反する行為には介入しなければならない」と述べ、極右のコーラン焼却集会であろうと暴力で阻止することは許されないという見解を示した。

極右指導者のパルダンは定期的に事件を起こしている。2020年11月にはフランスで逮捕され、強制送還された。

ベルギーでも「コーランを燃やしてイスラム教徒の憎悪をあおる」集会を主催し、他の活動家5人と共に逮捕された。

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