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スウェーデン、違法なラブドール取り締まりへ、規制強化

この問題が公に注目なったきっかけは、児童保護団体ChildXが先月、子供に似せてラブドールが複数のECサイト上で流通していたとして、アマゾン(Amazon)などの事業者を告発したことにある。
セックスドール(Getty Images)

スウェーデン政府は27日、子供を模したセックスドール(ラブドール)のオンライン販売に断固たる対処を行う方針を明らかにした。

複数の販売事例を受け、政府は関係する電子商取引企業、児童権利団体、行政当局を交えた会合を開催。社会福祉相は記者会見で、「こうした商品が今後どこでも売買されないようにする」と述べ、必要であれば追加の立法措置も辞さない考えを示した。

この問題が公に注目なったきっかけは、児童保護団体ChildXが先月、子供に似せてラブドールが複数のECサイト上で流通していたとして、アマゾン(Amazon)などの事業者を告発したことにある。

これらのドールは身長1メートル程度で、制服姿など子供を連想させる服装と性的文脈で販売されていた。

スウェーデンの法律では、児童を性的に描写・商品化する素材は禁じられており、ChildXはこれが児童性的搾取にあたる可能性があると主張していた。

ChildXの代表は「こうした商品は子供を性的対象として商品化するものであり、その売買は児童への性的虐待を正当化あるいは助長する文化を育てる」と批判した。

この告発と世論喚起によって、アマゾンは問題となった商品を削除したと報告されている。

政府の会合に参加したオンライン小売企業も、問題の製品の販売を中止する措置を講じたと説明。社会福祉相はこれらの対応について「十分かどうかを注視する。必要に応じて、さらに措置を講じる」と述べ、削除された後も監視を続けていく姿勢を強調した。

さらに、性的・オンライン上での児童虐待を防ぐ包括的な児童保護戦略を策定中であることを明らかにした。

国際的にも同様の動きが広がっている。例えば、欧州ではSHEINなどが子供に似せたラブドールの販売を巡り批判を受けており、取締強化の動きが進んでいる。こうした状況は、オンラインマーケットプレイスにおける責任の見直しや規制強化を促す契機となっている。

スウェーデン政府の今回の約束は、児童保護への強いメッセージであり、今後同様の商品が流通することへの抑止につながる可能性がある。ただし、実際の取り締まりと法律の整備がどのように進むか、そして国際的なオンライン販売サイトの運営実態がどう変わるかには注意が必要だ。

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