◎野党スウェーデン民主党を含む右派勢力は24日、連立政権の予算法案を反対多数で否決し、代わりに野党連合の予算法案を可決した。
11月24日、スウェーデン初の女性首相に就任した社会民主党のマグダレーナ・アンダーソン党首は、就任から数時間後に党の予算法案が否決されたことを受け、辞任すると発表した。
現地メディアによると、議員117人がアンダーソン党首の首相就任に賛成し、174人が反対、57人が棄権、1人が欠席したという。結果、「議会の過半数にあたる175人が反対票を投じなかった」ため、アンダーソン党首の首相就任は承認された。
しかし、野党スウェーデン民主党を含む右派勢力は連立政権の予算法案を反対多数で否決し、代わりに野党連合の予算法案を可決した。スウェーデン民主党はネオナチ運動に根ざしている。
議会は今年6月、社会民主党のステファン・ロベーン首相(当時)の不信任決議案を賛成多数で可決した。
しかし、ロベーン首相は緑の党の協力を得て連立政権を形成することに成功し、総選挙は回避された。社会民主党は349議席中100議席を保持し、緑の党(16議席)と連立に参加していない他の左派勢力の協力を得て何とか政府を運営している。
<スウェーデン議会の勢力 349議席>
・社会民主党 100議席
・穏健党 70議席
・スウェーデン民主党 62議席
・中央党 31議席
・左党 27議席
・キリスト教民主主義者 20議席
・リベラル 20議席
・緑の党 16議席
・無所属 1議席
アンダーソン首相は就任から約8時間後の記者会見で、「辞任が最善の策と判断した」と述べ、社会民主党と連立を組む緑の党は声明で、「極右が起草した予算を受け入れることはできない」と述べた。
アンダーソン首相は、「社会民主党単独で政府を率いることに関心があるとアンドレアス・ノーレン議会議長に伝えた」と明らかにした。
現地メディアによると、ノーレン議長は8つの党の指導者に協議を呼びかけたという。詳細は25日に発表される予定。
アンダーソン首相は記者団に、「憲法と慣行に基づき、連立を組むいずれかの政党が去る場合、首相は辞任すべきである」と語った。
一方、緑の党は連立政権との協力関係を解消すると発表したが、次の首相を指名する投票でもアンダーソン氏を支持する予定と述べた。緑の党の報道官は声明で、「極右の予算成立は遺憾であり、到底受け入れられない」と述べた。
アンダーソン首相は24日午前の段階で、「野党の予算で国を率いることはできる」と述べていた。
地元メディアによると、野党連合の予算法案は社会民主党の案に基づいているが、アンダーソン首相が今年度の改革に費やしたいと述べていた740億クローナ(約9,400億円)のうち200億クローナ(約2,500億円)は来年度に配分されるという。
次の議会選挙は来年の9月11日に実施される予定。