◎ベラルーシの反政権派であるチハノフスカヤは2020年8月の大統領選に立候補し、多くの支持を集めた。
2022年10月5日/ポーランド、首都ワルシャワ、ベラルーシの反政権派チハノフスカヤ氏(Michal Dyjuk/AP通信)

ベラルーシの反政権派であるチハノフスカヤ(Sviatlana Tsikhanouskaya)氏は5日、ウクライナにおけるロシアの軍事的後退がベラルーシの独裁体制を揺るがす可能性があるという見解を示した。

チハノフスカヤ氏は2020年8月の大統領選に立候補し、多くの支持を集めた。しかし、独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は有権者の90%が自分に投票したと主張し、選挙後の抗議デモを徹底的に取り締まった。

チハノフスカヤ氏はポーランドの首都ワルシャワで開催された安全保障フォーラムで講演し、「ロシアは戦争で敗れかけ、ひどく疲弊し、気が散っている」という見方を示した。

またチハノフスカヤ氏は2020年の大統領選でプーチン(Vladimir Putin)大統領がルカシェンコ氏を支持したことに言及し、「今のロシアにルカシェンコを支える資金と軍事力はない」と語った。「ルカシェンコは後ろ盾を失おうとしています...」

大統領選直後の抗議デモには20万人以上が参加し、SNSにもルカシェンコ氏の辞任を要求するコメントが数えきれないほど投稿された。

チハノフスカヤ氏は当局に逮捕される恐れがあるとしてリトアニアに亡命した。米国とEUはベラルーシに厳しい経済制裁を科している。

チハノフスカヤ氏は講演の中で、「多くのベラルーシ人がウクライナ領の解放を目指すウクライナ軍を支援している」と説明した。

「ベラルーシのパルチザンがウクライナの反攻作戦に参加し、侵略者を追い払っています。多くのベラルーシ人がこの戦争がベラルーシに大きな変化をもたらすと理解しています。その時は突然やってきます。ウクライナ軍の動きはとても速く、強力です」

チハノフスカヤ氏によると、ウクライナ軍の反攻に参加したベラルーシ人少なくとも15人が死亡したという。

ウクライナ軍は東部と南部4州の奪還を目指し、占領された地域に深く切り込んでいる。ロシア軍は東部ドネツク州の要衝リマンと、南部ヘルソン州北部の数十の町・集落からの撤退を余儀なくされた。

チハノフスカヤ氏は開戦直後にロシア軍の補給を妨害するためにベラルーシの鉄道システムを一部破壊したパルチザンを称賛し、「ベラルーシ人は戦争に反対し続ける」と約束した。

ベラルーシの国営メディアによると、2月と3月に確認された妨害工作に関与したパルチザンは死刑に処される可能性があるという。

2020年8月/ベラルーシ、首都ミンスクの抗議デモ(Getty Images/AFP通信)
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