▽多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるデモに参加している。
2024年12月25日/セルビア、首都ベオグラード、政府与党に抗議するデモ(AP通信)

セルビアの首都ベオグラードで25日、北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが行われ、1000人以上の学生が検察庁前に集結した。

デモを主催したベオグラード大学の学生ユニオンは検察庁の担当者に書簡を渡し、検事総長とノビサドの事件を担当する主任検察官に対し、正義を追求するよう求めた。

主任検察官はその後、学生ユニオンの代表らを招いてノビサドの事故について話し合う用意があると表明した。

この事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口で11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。

セルビア国内の大学の大半がこの事故が起きて以来、閉鎖されている。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるデモに参加している。

事故が起きた駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。

野党は広範な汚職とずさんな改修計画が事故を招いたとして、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に辞任を要求している。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。

地元の独立系メディアは情報筋の話しとして、「当時の政府高官は中国の国営企業から多額の賄賂を受け取り、その見返りにノビサドの駅改修を含む多くの巨大インフラ工事を任せていた」と伝えている。

政府はこの主張を否定。「国家転覆を画策する野党勢力がメディアと結託して偽情報を流している」と非難している。

学生たちは25日のデモ行進で赤い手形をあしらった横断幕を掲げ、政府に抗議した。

ブチッチ氏は学生デモを鎮静化させるため、若者向けの低金利住宅ローンを宣言している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク